その数1306本 生物で最多の脚を持つヤスデ、豪州で発見

英語名の由来通り1000を超える脚を持つヤスデがオーストラリアで発見された/Marek et al. 2021

2021.12.17 Fri posted at 15:10 JST

(CNN) ヤスデが持つ多数の脚は、それこそがこの動物をイモムシや昆虫とも違うものとして特徴づけている。

だが、英語名「millipede」がラテン語で「1000本の脚」という意味を持つにもかかわらず、750本超の脚を持つヤスデは発見されていなかった。これまでのところは──。

16日付の科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された論文によると、1000本超、正確に言えば1306本の脚を持ち、地球上に現在生息する動物の中で最多の脚を持つヤスデが、米国およびオーストラリアの科学者らによって発見された。

このヤスデが生息していたのは、西オーストラリア州で鉱物探査のために掘削された穴の地下60メートルの地点だったという。

目を持たないこの無脊椎(せきつい)動物は全長9.5センチ、幅1ミリで、330の体節、触覚、餌を口にするための吻(ふん)、コーン型の頭部で構成される。

論文の著者であるバージニア工科大学昆虫学部のポール・マレク准教授は取材に対して電子メールで、「まるで3インチ(約7.6センチ)の細い糸(だが1306本の脚が付いている)をシャツから引き抜いたようなもの」と説明した。

コンピューター技術を駆使して数えた実際の脚の数は1306本だった

さてこんなに小さな動物の脚をどうやって数えたのか?

脚を見逃したり2度数えたりすることがないように、マレク氏はグラフィックデザインソフトを用い、真っ直ぐに伸ばしたヤスデの高解像度画像を脚10本ごとに区切って色分けした。同氏は「3度数え、約1時間かかった」と話している。

公式に「ユーミリペス・ペルセフォネ」と名付けられたこのヤスデは、ヤスデ類の分類学上の分析によれば、これまで最多の脚を持つと記録されていた種と遠戚関係にある可能性があるという。米カリフォルニア州のヤスデ類である「イラクメ・プレニペス」は最大750本の脚を持つ。

双方のヤスデ類で進化した多数の体節と脚は、生息する土壌の狭い隙間を通り抜けられるようにするための押す力を生み出している可能性があると、著者らは示唆している。

新種のヤスデが発見された東ゴールドフィールズ地方は、地表温度が46度を超えることがしばしばある一方、このヤスデが採集された地下水脈では22度を超えることはないという。

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