(CNN) 今から66年前の1955年、米アラバマ州で白人に席を譲らなかったとして罪に問われた公民権運動のパイオニア、クローデット・コルビンさん(82)の少年審判の記録が、このほど裁判所の命令を受けて封印され、破棄された。
コルビンさんは15歳だった当時、同州モンゴメリー市内を走るバスの中で白人に席を譲ることを拒んで逮捕された。この事件が起きたのは、コルビンさんと同じ行為で逮捕され、公民権運動の指導者として有名になったローザ・パークスさんの事件の9カ月前だった。
アラバマ州の家庭裁判所は11月、記録の破棄を求めたコルビンさんの申し立てを認め、モンゴメリー郡少年裁判所のカルバン・ウィリアムズ裁判官が同月24日、記録の破棄命令に署名した。
同裁判官は、記録の封印についても正当かつ公正な理由があるとしてコルビンさんの訴えを認め、当時のコルビンさんの行動について「彼女自身のため、そして影響を受けた地域住民のためにも勇気ある行動として認識されるようになった」と指摘した。
コルビンさんはモンゴメリーの人種隔離条例違反と警官に対する暴行の罪に問われ、少年審判でいずれも有罪を言い渡された。人種隔離条例違反については控訴審で有罪が覆されたが、暴行罪で有罪になったことから「無期限の保護観察」を命じられ、弁護団によれば、保護観察期間の終了が告げられることはなかった。
申し立ての中でコルビンさんは、社会の後退ではなく進歩を見たいとして、次のように述べていた。
「州に私の汚名を晴らしてほしいと思ったのは、もしそれが実現すれば、進歩が可能なこと、物事は良くなっていくことを、今成長している世代に示せると信じるからです」