WTA、中国でのトーナメント即時停止を発表 彭帥さんへの懸念続く中

テニス選手の彭帥(ポンショワイ)さん/Bai Xue/Xinhua/Getty Images

2021.12.02 Thu posted at 06:24 JST

(CNN) 女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモン会長兼最高経営責任者(CEO)は1日、香港を含む中国でのWTAの全トーナメントを即時停止すると発表した。

サイモン氏は声明で、トーナメント停止の判断について、テニス選手の彭帥(ポンショワイ)さんが中国元高官による性的暴行を訴えた後、中国当局の透明性が欠如していることを踏まえた対応だと述べた。

サイモン氏は「彭帥さんが自由に意思疎通できず、性的暴行被害の訴えを否定するよう圧力を受けているように見える中、良心に照らして、私はどうしたら選手たちにプレーを求めることができるのか分からない」「現状を踏まえると、2022年に中国で大会を開催した場合に全選手やスタッフが直面するリスクについて大きな懸念も抱く」と述べた。

11月2日付のSNSへの投稿のスクリーンショットによると、中国有数の知名度を誇るスタースポーツ選手である彭さんは、張高麗(チャンカオリー)前副首相から同氏宅で性行為を強要されたと訴えた。投稿はその後、削除された。

告発後、彭さんは公の場から姿を消し、複数のテニス選手がSNS上で心配の声を上げる事態となった。

WTAのスティーブ・サイモン会長兼最高経営責任者(CEO)

国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は21日の声明で、中国スポーツ当局者やIOC関係者を交えて彭さんと30分間のビデオ通話を行ったと明らかにした。

IOCの声明によると、通話中、彭さんは「元気で」「リラックス」している様子で、「自分のプライバシーを尊重してほしい」と語ったという。IOCはビデオ通話が行われた経緯について説明せず、このときの動画も公開していない。

IOCの古参委員ディック・パウンド氏は、彭さんは元気だというのが通話に参加した人の「全員一致の結論だ」としている。

欧州連合(EU)は11月30日、中国当局に彭さんの無事を示す「検証可能な証拠」を公表し、性的暴行の訴えに対する徹底的かつ透明性のある調査を行うよう求めた。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。