イラン核協議が再開 各国が譲れない一線を主張

イランの核開発の制限をめぐる協議がウィーンで再開した/EU Delegation in Vienna/Reuters

2021.11.30 Tue posted at 14:48 JST

(CNN) イランの核開発の制限をめぐる協議が29日、オーストリア首都ウィーンで再開した。米国はイランに対し、さらなるウラン濃縮について警告しているほか、イスラエルは制裁緩和を行わないよう強力にロビー活動を行っている。一方のイランは、協定を結ぶことに前向きな姿勢を示しているものの、それは米国が制裁を解除した場合に限るとしている。

報道によれば、イスラエルはイランが核兵器の製造に必要な水準にまでウランの濃縮を行う準備を進めていると示唆している。イスラエル当局者2人がこの報道についてCNNに確認した。報道によれば、イスラエルは過去数週間、米当局者に情報共有を行い、イランがウランの濃縮度を90%にする準備を進めていることを示唆した。

イランはこうした報道に先立ち、濃縮ウランの貯蔵量を着実に増やしていると明らかにしていた。貯蔵量の一部については、イラン議会で昨年成立した法律に基づいており、法律では米国に対して制裁緩和の圧力を加えるためにウラン濃縮の再開を指示していた。

欧州連合(EU)の欧州対外活動庁のモラ事務次長は1回目の協議後、記者団に対し、核の安全保障とイランの人々のために何かを変える必要があるとの認識を示した。

イラン外務省の報道官は、相手側が同じやる気を示すならば、イラン政府は合意達成に向けた軌道に乗ることに前向きだと語った。

今回の協議では、EUとフランス、ドイツ、中国、ロシアの代表が直接、イランの代表と話し合いを行った。米国は間接的に協議に参加しており、何が話し合われたかについて後で情報を得て、立ち位置を検討する。イスラエルによる情報提供の報道が事態を複雑にするかどうかは不透明だ。

イランのウラン濃縮は核合意の下で制限されていたが、2018年に当時のトランプ米大統領が合意から撤退。イランは現在、濃縮ウランの貯蔵量を増やしている。

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