マスターズでプレーした初の黒人ゴルファー、リー・エルダー氏が87歳で死去

マスターズでプレーした初の黒人ゴルファー、リー・エルダー氏が87歳で死去/Chris Carlson/AP

2021.11.30 Tue posted at 08:08 JST

(CNN) 男子ゴルフのメジャー大会、マスターズ・トーナメントでプレーした初の黒人ゴルファー、リー・エルダー氏が死去した。87歳だった。米PGAツアーが29日確認した。

エルダー氏は1975年のマスターズに初の黒人選手として出場した。今年の大会では名誉スターターとして参加していた。

エルダー氏は2015年にCNNの取材に対し、オーガスタ・ナショナルでのデビュー戦を振り返り「ひどく震えていた。ティーアップさえできるかわからなかった」「どうやって切り抜けたかはわからない。ただ全能の神の助けでそこにたどり着き、ボールをティーに載せることができた」と語った。


2021年マスターズ開幕前の式典に到着したエルダー氏/Kevin C. Cox/Getty Images

エルダー氏は1960年代から70年代、人種的な関係で不安定な時期にツアーに参加した。ゴルフ界で最も顔が知られる存在の一人となったが、問題にも直面した。

ある大会に車で向かったところ、クラブハウスへの入場を断られ別の駐車場に止めざるを得なかったことがあった。観客が同氏のボールを垣根に投げ入れたこともあったという。

1975年のマスターズでボールの行方を見るエルダー氏

歴史的なマスターズの出場につながる年には、オーガスタのあるジョージア州に来るなとの脅迫を受けたことがあるという。恐怖を感じたエルダー氏はマスターズの期間中に家を2軒借り、自分の滞在場所がわからないようにしていた。

フロリダ州ペンサコーラでの大会で優勝してマスターズへの出場権を得たものの、そのような反応もあって招待を受けるか悩んだ。出場辞退を検討したが、「ツアーに参加してからずっと実現したかったもの」との思いから出場を決意した。

結果は予選落ちだったが、その後5回マスターズに出場し、77年に19位、79年に17位の成績を残した。

2年に1度の米欧チーム対抗戦、ライダーカップでは79年に初の黒人男性の代表選手として出場した。

米女子プロゴルフ協会(LPGA)ツアーで史上2人目の黒人女性選手で、エルダー氏の友人のレニー・パウエル氏は、エルダー氏死去のニュースを知り「とても悲しい」とフェイスブックにつづった。

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