コロナワクチン、10代に追加接種が必要となる可能性低い ファウチ氏

10代にコロナワクチンの追加接種が必要となる可能性は低いとファウチ氏/CNN

2021.11.26 Fri posted at 16:30 JST

(CNN) 新型コロナウイルスワクチンの接種を完了した成人に対する追加接種が進む米国で、ワクチン接種を終えた10代の子どもに対する追加接種の必要性や時期に疑問を感じる親が出てきている。研究者はその答えを出そうと取り組みを進めている。

現時点で追加接種の対象は成人で、ファイザー製とモデルナ製のワクチンの追加接種は2回の接種を完了してから最低6カ月、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製ワクチンの追加接種は1回の接種を終えてから最低2カ月経過後に推奨されている。

子どもに対しては、12~15歳の年齢を対象としたファイザー製ワクチンの緊急使用許可が下りたのが今年5月で、それから約6カ月を迎えようとしている。

テキサス州の病院で子どもの感染症を専門とするフロル・ムニョス医師は、子どもに追加接種が必要かはまだわからないとしつつ、研究は進んでいて「来年にはデータがそろうはず」との見通しを示す。

どこかの時点で若者への追加接種が必要となる可能性はあるものの、国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は24日のCNNの番組で、「そうなる可能性はより低い。健康で頑丈な10代の若者は私のような高齢者より優れた強い免疫反応があるためだ」との認識を示した。

ニューヨーク市の接種会場でワクチンの投与を受けた13歳の少年

ファウチ氏は、ワクチン接種を完了した18歳以上の成人については、免疫の低下を理由に追加接種を強く勧めている。一方、若者については「低下し始めるのがより遅くなる可能性がある。とても丈夫な免疫システムがあり、防御が弱まるのが6カ月の期間を超えても驚きはない」と語る。

アトランタの医師で公衆衛生の専門家のサジュ・マシュー氏は、若者の追加接種の推奨に必要な、若者に特化したデータが十分そろっていないと指摘する。

マシュー氏は「現時点で、個人的には私の診ている若者に追加接種を勧める可能性は低い」と述べ、その理由としてデータ不足のほかに、子どもの重症化リスクの低さ、ファイザー製やモデルナ製のmRNAワクチンで見られる若者の心筋炎の小さなリスクに言及した。

ただ、基礎疾患のある若者も存在し、「もし17歳の子どもが重度のぜんそくや嚢胞(のうほう)性繊維症、または肺の基礎疾患を持っていれば、容易に追加接種を勧めるだろう」とも語った。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。