スーダン軍、解任したハムドク首相を復職

クーデターに反対する抗議デモ隊の人が追放されたハムドク首相=13日 /AFP/Getty Images

2021.11.22 Mon posted at 19:04 JST

スーダン・ハルツーム(CNN) 10月のクーデターで実権を握ったスーダン軍は21日、軟禁状態にあったハムドク首相を復職させた。

国営テレビの生中継によれば、スーダン軍トップのブルハン氏は大統領府で、ハムドク氏とともに調印式に出席した。

交渉の仲介役を担ったムダウィ・イブラヒム氏によれば、今回のハムドク氏とブルハン氏の合意の中にはクーデター後に拘束された政治家などの釈放も含まれている。


スーダン軍トップのブルハン氏(中央)と並ぶハムドク首相(右)/Marwan Ali/AP

ハムドク氏は再び暫定政府を率いる立場につく。ハムドク氏は2019年にバシル前大統領が失脚した後、軍民共同の暫定政府を率いていた。ハムドク氏とブルハン氏は、民間と軍の指導層の間での権限分担の取り決めで合意したが、再構築の具体策はまだ明らかではない。

今回の合意では、クーデター後に解任された閣僚が復職するほか、政府関係者や政治家、抗議した人々が釈放される。クーデター後の抗議デモを調査するための委員会も創設されるという。

記者会見を開くスーダン軍トップのブルハン氏=10月26日、ハルツーム

ハムドク氏は21日、自宅軟禁から解放された。目撃者によれば、先月のクーデター以降、ハムドク氏の住居を包囲していた治安部隊が撤収した。しかし、個人の護衛は住居に残っているという。

今回の合意については一部で反発も出ている。警察は21日、大統領府近くにいた抗議デモの集団に対して催涙ガスを発射した。デモはハルツーム市内で始まり、市中心部の大統領府に移動していた。

ダルフール弁護士会は「再度の取引はない」「ブルハンを先月25日以降に犯した罪で責任を負わせるところから解決は始まる」と反発した。

「自由と変化宣言勢力(FCC)」もクーデターの陰謀を企てた者に「交渉、協力、正統性の余地はない」として合意を拒絶。スーダンの医師団体SDSも合意のニュースを受け入れない姿勢を示した。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。