死んだマナティー1000頭超す、飢えが主な原因 米フロリダ州

米フロリダ州で今年に入りマナティーが1000頭以上死んだ。昨年同時期に比べ2倍以上となっている/Joe Raedle/Getty Images

2021.11.18 Thu posted at 16:54 JST

(CNN) 米フロリダ州魚類・野生生物保存委員会(FWC)の報告によると、今年に入って同州で死んだマナティーが1000頭を超えた。この数十年で最多となった。

2021年に死んだマナティーは、11月12日の集計で1003頭に上った。FWCはこれに先立ち、今年マナティーが死んだ主な原因は飢えだったと発表していた。

前年の同じ時期までに死んだマナティーは498頭だったが、今年は2倍以上に増加。FWCはその数の多さに異常事態を宣言していた。

フロリダ大学獣医学校のマイケル・ウォルシュ准教授は、死んだマナティーが急増したことについて、海洋生態系の奥底にある問題の表れだと指摘する。

死んだマナティーが320頭以上と最も多かったブレバード郡では、温かい水を求めてマナティーが集まるインディアン・リバー・ラグーンで、過去11年の間に海藻の推定58%が死滅した。フロリダ州のマナティーは主に海藻を餌としている。

マナティーは気温が下がると温かい水を求めて動く

海藻が死滅した一因は、有害な藻類の繁殖だった。排水からの栄養分やマイクロプラスチック、有害物質などがマナティーの生息地に流入すると、藻が繁殖して水面を覆い、水中の海藻に日光が届かなくなる。

ウォルシュ氏はこの現象について、「マナティーだけの問題ではなく、巨大な生態系問題に警鐘を鳴らす兆候」と位置付ける。

マナティー保護施設のズータンパは米政府に対し、マナティーを絶滅危惧種に再指定するよう求めている。米魚類野生生物局は17年、個体数や生息地が回復したとして、マナティーの絶滅危惧種指定を解除していた。

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