ベラルーシ国境で暴動、ポーランド警備隊が放水銃を発射も移民が投石

ベラルーシとの国境に押し寄せた移民に向かってポーランドの警備隊が放水銃を発射する/Leonid Scheglov/BelTA/Reuters

2021.11.17 Wed posted at 16:15 JST

ベラルーシのブルズギ・クジニツァ国境地域(CNN) ポーランドとベラルーシの国境地帯で16日、欧州連合(EU)側への入境を求める移民らがポーランドの国境警備隊に投石し、警備隊側が放水銃や催涙ガスを発射して応酬する騒ぎがあった。

国境地帯の緊迫化をめぐり、両国の当局は非難の応酬を繰り広げている。

ブルズギ・クジニツァ国境地域では、EU側への入境を期して多数の移民らがやって来たものの、凍えるような寒さの中で立ち往生している。同地では混乱した光景が繰り広げられており、ポーランド側へ投げ入れようと、コンクリートのブロックを割り、木々の枝を集めている移民の群衆の姿を目にすることが出来る。

群衆の頭上では轟音(ごうおん)が鳴り響き、厚い煙の雲が垂れ込めている。ベラルーシ国営通信は、ポーランド側の部隊が放水銃を用い、やけどを引き起こす黄色い液体を散布し、人々は煙によって息を詰まらせ、体調不良に陥っていると報じている。CNNの取材チームは、ポーランドの警備隊による放水を浴びた。

ベラルーシ国営通信によると、同国軍幹部は報道陣に対し、ポーランドの治安部隊が「有毒な化学物質」を使用したと発言。「我々は本日、ポーランドの治安部隊がベラルーシとポーランドの国境地帯において、女性や子どもたちを含む難民らに対して有毒な刺激性の化学物質を使用した特別な手段を用いたのを目にした」と述べた。

走って放水銃から逃げる男性

一方でポーランド警察によると、警察官7人が投げ込まれた物体に当たり負傷したという。

ポーランドの国境警備隊は16日、ブルズギ・クジニツァ国境検問所付近で野営していた移民らが、部隊に向けて石などを投げて「攻撃的な」振る舞いを見せたと発表。ツイッターに「違法な国境越えを防ぐために、攻撃的な外国人に対して放水銃が使用された」と投稿した。

同国の国防省もツイッターに、鉄条網の国境フェンスを越えて石が投げ入れられる中、肩を並べて立ち、群衆に対抗する「盾」となる警察官や兵士の姿を捉えた動画を投稿。この光景を「移民の攻撃」と評するとともに、ベラルーシ当局が移民に「閃光(せんこう)弾」を装備させていると非難した。

ボーランド治安当局の報道官も同日、今回の衝突について、「国境における攻撃の第1波」を成功裏に撃退したとして同国部隊を称賛するツイートを投稿している。

ベラルーシ国営通信は同日、国境地帯の「事態が悪化」しており、移民たちが「あらゆる手段でポーランドにたどり着こう」と試みる中、ポーランド当局は催涙ガスや閃光弾、放水銃を用いて対応し、「寒さの中で人々に水を浴びせている」と報道。「人々は待つことに疲れ果て、強行突破する心づもりでいる」とした。

投石に放水銃、移民と警備隊がポーランド・ベラルーシ国境で応酬

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