(CNN Business) 米自動車大手フォード・モーターは3日、米国の社員3万2000人に対して、新型コロナウイルスワクチンの接種を義務付けると明らかにした。
対象の社員は12月8日までにワクチン接種を完了することが求められる。ワクチン接種を拒み、宗教上や医療上の理由による免除も認められない場合は、最長30日間の有給休暇となる。その後は、雇用の保護は失われる。
フォードは米自動車大手3社の中では初めて米国の従業員に対してワクチン接種を義務付けた。フォードはこれまで、米国の従業員8万8000人に対し、ワクチン接種を推奨していたものの、義務付けはしていなかった。
フォード、ゼネラル・モーターズ(GM)、ステランティスはすでにカナダの従業員に対してはワクチン接種を済ませるよう求めている。
フォードの広報担当は、従業員の健康と安全が最優先だと説明。社員の84%以上がすでにワクチン接種済みであるとし、指針に従う従業員の支持によって非常に勇気づけられていると述べた。
しかし、組合に代表される残りの従業員については、連邦政府や団体交渉の要件によって、今回の義務化が当てはまらない。
フォードの広報担当は、全米自動車労組(UAW)との交渉に必要な労働省労働安全衛生局(OSHA)の緊急暫定基準(ETS)の指針がまだ公開されていないと指摘。OSHAの要件がどのように適用されるか精査中で、労組幹部と話し合いを行っているという。
UAWの広報担当はフォードで働く約5万6000人の組合員が今回のフォードのワクチン義務付けの対象とはなっていないと述べた。すべての組合員に対してワクチン接種を勧める立場に変わりはないものの、一部の組合員について健康や宗教などワクチン接種ができない理由があることも理解しているとした。
バイデン大統領は、連邦政府の全職員については11月22日までに、連邦政府の全取引業者については12月8日までにワクチン接種を終えることを義務付けている。
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