シチリア島の豪雨被害拡大 2人死亡、2日間で1年分の降雨も イタリア

豪雨により被害を受けた街の通り=26日、イタリア・カターニアのエトネア通り/Sanne Derks/Getty Images

2021.10.28 Thu posted at 11:56 JST

ローマ(CNN) イタリア南部がハリケーンのような低気圧メディケーンの影響で豪雨や鉄砲水に見舞われている。これまでに2人の死亡が確認され、道路の水没や住宅の浸水などの被害が拡大。豪雨は29日まで続くと予想され、さらなる被害が懸念されている。

シチリア島のムスメキ知事は26日、2人が死亡、1人が行方不明になっていることを確認した。同島東部カターニア市の市長はフェイスブックへの投稿で、28~29日にかけては「特に憂慮すべき」状況が続くと予想、住民に対して可能な限り自宅にとどまるよう呼びかけた。

シチリア島には27~28日かけ、最大級の警戒警報が発令されている。


豪雨により被害を受けた街の通り=26日、イタリア・カターニアのエトネア通り/Sanne Derks/Getty Images

メディケーンは地中海で発生するハリケーンのような低気圧で、シチリア島リングアグロッサ地区では2日間で1年分に相当する雨が降った。

流された車両=27日、イタリア・カターニア

低気圧はこの週末まで停滞する見通しで、カターニアでは学校が休校となり、商店や事業所はどうしても必要な場合を除いて29日まで休業するよう指示された。

カターニアでは27日までの1日の間に600回を超す救助活動が行われた。カターニアで記者会見した市民保護局長は「事態はまだ終わっていない」「28~29日にかけて一層の悪化が予想される」として警戒を促した。

シチリア島のムスメキ知事は26日、フェイスブックで「道路は川と化し」「田園地方は湖と化した」と伝え、「完全に孤立した地域があり、住宅数千軒が浸水している。建物や作物の被害は計り知れない」と指摘。シチリア島東部の被害はますます拡大する恐れがあると予想した。


シチリア島でも田畑や道路に被害が及んだ/Orietta Scardino/EPA-EFE/Shutterstock

メディケーンは通常、9月~12月にかけて年に2回ほど発生する。イタリアの首都ローマで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に影響は及ばない見通しだが、気候変動に対して緊急の対策が求められる現実を見せつけている。

豪雨被害拡大 イタリア南部

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