テーマは石油、巨大「エクストリームパーク」の計画発表 サウジアラビア

サウジアラビアで、石油掘削リグをテーマパークに改装する計画が発表された/Public Investment Fund

2021.10.21 Thu posted at 08:11 JST

(CNN) 中東サウジアラビアはこのほど、石油掘削リグを改装して、アラブ湾に浮かぶ15万平方メートルの「エクストリームパーク」とリゾートの複合施設に変貌(へんぼう)させる計画を発表した。

「ザ・リグ」と呼ばれるこの施設はサウジアラビア公共投資基金(PIF)から資金拠出を受け、複数のプラットフォームに広がるホテル3棟とレストラン11軒で構成される。ローラーコースターやバンジージャンプ、スカイダイビングも楽しめる。

施設の目標は「接客サービスや冒険、ウォータースポーツの体験を盛りだくさんで提供する」こと。今月には完成予想図や宣伝動画が発表された。

PIFの声明では「このプロジェクトはユニークな観光の目玉であり、世界中から観光客を集めることが期待される」と説明。特にアラビア湾岸諸国からの訪問客のあいだで人気を集める見込みだとしている。

施設の完成予定日は明記されていない。

「洋上石油プラットフォームに着想を得た世界初の観光スポット」とうたうこの施設は、サウジの「ビジョン2030」戦略に沿って構想されている。同戦略の狙いはサウジを世界一の観光国として位置づけ直し、経済の多角化を図ることにある。

サウジにあるイスラム教の聖地メッカには毎年大勢の礼拝者が巡礼に訪れるが、女性の自由を制限する同国の保守的な法律に加え、懸念すべき過去の人権状況もあり、多くの外国人観光客にとってはやや行きづらい目的地となってきた。

「ザ・リグ」のイメージ図

だが、サウジは何としてでも、隣接するアラブ首長国連邦(UAE)のドバイやアブダビ、オマーンのような場所と競争できる魅力的な国際観光地としてイメージ転換したい考え。2020年代の終わりまでに年間1億人の観光客を呼び込む目標を掲げている。

今年前半には、現在のフラッグシップキャリア「サウディア」(旧称サウジアラビア航空)に次ぐ2番目の国家的な航空会社を設立する計画などがムハンマド皇太子によって発表された。

「ザ・リグ」のプロジェクトが報じられるわずか数カ月前には、遊園地「シックスフラッグス・キディヤ」の計画も発表されていた。

この施設は首都リヤド郊外に位置する新都市の一部として建設されているもので、23年の開園時には世界最速のローラーコースターが設置される見通しだ。

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