船体に大きな穴がぽっかり、スーパーヨットの構想発表 値段90億円

船体の中央に「ぽっかりと開いた穴」を配したヨットのデザインが発表された/Courtesy Lazzarini

2021.10.20 Wed posted at 06:52 JST

(CNN) ラザリーニ・デザインスタジオは過去にも白鳥形のヨットや、船体をサメに似せたヨットなどを発表してきた。だが、新たなスーパーヨットのコンセプトはこれまでで最も大胆なものの一つと言えるかもしれない。

イタリアの首都ローマを拠点とするデザインチームはこのほど、全長69メートの船体の中央に「ぽっかりと開いた穴」を配したヨットのデザインを発表した。

「シェイプ」と名付けられたこのコンセプトはクリーンエネルギーのみを動力とする。上部構造に巨大な穴を配置した結果、素晴らしく特徴的なシルエットになっている。

「ホールデッキ(穴甲板)」と呼ばれる空間には船首の入り口からアクセス可能。海面に降りていくための階段を備え、日光浴の場所として理想的だ。持ち主の求めに応じてカスタマイズすることもできる。

一方、上甲板には床をガラス張りにしたインフィニティープールが設置されていて、遊泳客は足元に広がる空間の素晴らしい眺めを堪能できる。

上部構造の後部に位置する居住空間は6つのスイートルームからなり、最大12人が宿泊できる。

デザイナーらは「上部構造内に穴を配置するというスタイル上の選択により、船上の空間は豪華そのものになっている」と説明する。

巨大な穴を配置したことで特徴的なシルエットになっている

シェイプの値段は推定6900万ユーロ(約91億円)。水素を動力とする推進システムを搭載し、最高スピードは約24ノット、完全電気モードの場合も12ノットに達する。

船内システムの充電には、上甲板に設置した太陽光パネルを使用する計画だ。

現時点では構想段階に過ぎないものの、ラザリーニのチームによると、構想を発表して以降、その型破りのデザインにブローカーから多くの注目が集まるようになった。

デザイナーらによると、もしシェイプの構想を進める場合、建造と仕上げには約20カ月を要する見通し。

スーパーヨットの世界ではこのところ画期的なデザインが次々と発表されている。

9月には、ドイツの造船所リュールセンがモナコのヨットショーで、ルイス・キャロルの小説「不思議の国のアリス」に触発された排ガスゼロのスーパーヨットの構想を発表。イタリアの造船所タンコアも同じイベントで、鉄とアルミニウムからなる「アパッチ」のコンセプトをお披露目した。

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