(CNN) ロシアの俳優ユリア・ペレシルドさんとプロデューサーで監督のクリム・シペンコさん、宇宙飛行士のオレグ・ノビツキーさんは17日、宇宙での映画撮影を終えて地球に帰還した。
3人は米東部時間16日、国際宇宙ステーション(ISS)に別れを告げて、宇宙船で出発。宇宙船はカザフスタンに現地時間17日午前10時35分ごろ、パラシュートで着陸した。
ロシアの宇宙機関「ロスコスモス」のドミトリー・ロゴジン総裁も3人を出迎えた。撮影クルーは映画のために着陸地で追加のシーンを撮影していた。
着陸後のユリア・ペレシルドさん、オレグ・ノビツキーさん、クリム・シペンコさん/Sergei Savostyanov/TASS/Getty Images
ペレシルドさんとシペンコさんはカザフスタン・カラガンダにヘリコプターで搬送された。2人はその後、ロシア・スターシティーにある訓練基地へ航空機で移動し、地上に慣れるための10日間のリハビリを受ける。2人は宇宙空間に12日間滞在していた。
ペレシルドさんとシペンコさんは今月5日、ベテランのロシアの宇宙飛行士アントン・シュカプレロフさんとともにISSを訪れていた。12日間の滞在中、映画「挑戦」の撮影が行われた。
同作品では、ペレシルドさん演じる外科医が、医学的条件のため地球に戻ることができない宇宙飛行士を宇宙空間で手術しなくてはならなくなるという筋書き。病気になる飛行士はノビツキーさんが演じた。
シュカプレロフさんは引き続きISSに滞在し、帰還は来年3月の予定。ノビツキーさんは191日間にわたる宇宙滞在を終えての帰還だった。ノビツキーさんにとっては今回が3度目のISS滞在で、宇宙での滞在日数は合計で531日となった。
これまでも宇宙で撮影された作品はいくつか存在する。2002年のドキュメンタリーや、12年の約8分の短編「Apogee of Fear」だ。
俳優のトム・クルーズさんと監督のダグ・リーマンさんは昨年、米航空宇宙局(NASA)と提携して、宇宙で映画の撮影を行うと発表していた。プロジェクトの開発はイーロン・マスク氏率いるスペースXと協力して進められる。