保守派の有力弁護士ら、トランプ氏から距離置く 行政特権の行使めぐる問題で

新たな法廷闘争に挑む構えのトランプ氏だが有力弁護士らはこの件から距離を置いている/Scott Olson/Getty Images

2021.10.14 Thu posted at 15:15 JST

ワシントン(CNN) 過去にトランプ前米大統領の代理人を務めてきた多くの有力弁護士らは、同氏の最新の法廷闘争から現時点で距離を置いている。同氏は行政特権の行使を示唆し、議会の調査員らが今年1月6日に起きた米議会議事堂襲撃事件の情報を入手するのを阻む考えとみられる。

現状、トランプ氏の弁護団はかなり小規模で、行政特権の問題を裁判で争った経験にも乏しい。

一部の有力弁護士らは、報酬を支払わない場合があるとのトランプ氏の評判に対して懸念を抱いている。保守派の法曹界に詳しい複数の関係者が明らかにした。

それとは別に、同氏の弁護団を脱退した弁護士を注視する人々もいる。脱退の理由はクライアントとしてのトランプ氏に嫌気がさした、もしくは倫理上の困難に直面したといったものだった。

さらに、大統領選の結果が盗まれたものだとするトランプ氏の主張から自身の事務所ともども大きく距離を取りたいと、今なお考えている弁護士も複数存在する。

米カリフォルニア大バークレー校の法学教授を務めるジョン・ユー氏はこうした弁護士らについて、間違ってもトランプ氏には関わりたくないという心境だと指摘する。

1回目の弾劾裁判でトランプ氏の弁護に立つパトリック・フィルビン弁護士

過去にトランプ氏やその顧問らの弁護で目立った働きを見せた有力弁護士の6人以上が、今回は支援に加わっていない。トランプ氏の訴訟に詳しい情報筋は、ジェイ・セクロフ氏やタイ・カッブ氏といった弁護士の不在に言及した。

また少なくとも4人の著名な弁護士が、この数週間でトランプ氏のチームから再三協力を求められたにもかかわらずこれを断ったという。当該の話し合いに詳しい情報筋がCNNに明らかにした。

トランプ氏は声明で、これらの4人の弁護士に協力を仰いだことは一度もないと主張。「彼らが何者かも知らない。注目を浴びたいだけの人々だ」「私が依頼するのは、ずっと我々の側にいる弁護士たちだ」と述べた。

そのうえで「良い仕事をしてくれれば、報酬は必ず支払う」と付け加えた。

大統領時代や昨年の大統領選の際に法律顧問としてトランプ氏を支えたパトリック・フィルビン、ジャスティン・クラーク両弁護士は、行政特権の行使をめぐる今回の問題にも関与している。

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