(CNN) 米国で新型コロナウイルスの新規感染件数が減少しつつあるが、専門家からは警戒を緩めないでほしいとの声が上がっている。
ジョージ・ロドリゲス博士は「我々は自信過剰にはなれない。自信過剰になり、警戒を緩めると毎回、新たな変異株による新たな感染急増が起こる」と指摘。状況は良くなっているものの、収束には程遠いとの見方を示した。
ジョンズ・ホプキンス大学によれば、過去1週間の1日あたりの新規感染の報告数は平均10万7312件で、8月5日以来の低水準となっている。
入院患者の人数も減っている。保健福祉省(HHS)によれば、新型コロナウイルスで入院している人の数は約7万1325人で、前週比12.7%減少した。
ロドリゲス博士は「これは、今回の新型コロナウイルスの流行の終わりの始まりを示唆してはいない」と指摘。デルタ株による流行が減少傾向にあるのを目撃してはいるものの、1日あたりの感染件数は依然として10万件を超えており、これは1年前よりも高い水準との見方を示した。
ジョンズ・ホプキンス大学によれば、新型コロナウイルスによる過去1週間の死者数は1日あたり平均で1800人超となっている。専門家からは、こうした死者の大部分はワクチンによって防げた可能性があったとの見方が出ている。
国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は、より安全に年末のホリデーシーズンに集まれるかどうかは今の行動に大きくかかっていると述べた。
ファウチ氏は、冬に向かうなかで、良い状態であると確信するための最長の方法はより多くの人々がワクチン接種を行うことだと述べた。
新型コロナウイルスの流行が続くなか、新規感染件数は減少するが、時には新たな変異株とともに再び件数は上昇している。
ファウチ氏は、引き続き感染件数の減少に集中することが必要だと語った。
米疾病対策センター(CDC)によれば、3日時点でワクチン接種を完了した人は米国の人口の55.9%となっている。