フェイスブックの告発者が実名でテレビ出演、公益より「利益優先」と会社批判

フェイスブックの大量の社内文書を公表したのはハウゲン氏だった/Robert Fortunato for CBS News/60 Minutes

2021.10.04 Mon posted at 13:40 JST

ニューヨーク(CNN Business) 米SNS大手フェイスブックの社内報告書など大量の文書を流出させ、同社を非難の矢面に立たせるきっかけをつくった内部告発者が3日、調査報道番組「60ミニッツ」に実名で出演した。

告発者はフェイスブックのプロダクトマネジャーを務めていた元従業員のフランシス・ハウゲン氏(37)だった。同氏は問題の社内文書について、フェイスブックは自分たちのサービスが憎悪や暴力、偽情報の拡散に使われていることを知りながら、その証拠を隠そうとしていたことを裏付けると語った。

「私がフェイスブックで何度も繰り返し目にしたのは、一般の人のために良いことと、フェイスブックのために良いことの間の利益相反だった。そしてフェイスブックは何度も繰り返し、収益を増やすといった自らの利益のための最適化を選択した」。ハウゲン氏はそう証言した。

番組で紹介されたフェイスブックの内部文書にはこう記されていた。「フェイスブック上の憎悪発言や分断を引き起こす政治的発言、偽情報、および一群のアプリが世界中の社会に影響を与えていることをさまざまな筋から裏付ける証拠がある」

ハウゲン氏は1カ月ほど前、フェイスブックが自社の欠点に関する調査結果を隠しているとして、米証券取引委員会に少なくとも8件の申し立てを行った。同時に米紙ウォールストリート・ジャーナルにもこの文書を共有。同紙の調査報道では、フェイスブックが偽情報の悪影響や、傘下のインスタグラムが特に若い女性に与える有害性を認識していたと報じた。

ハウゲン氏はグーグルやピンタレストといったIT大手勤務を経て、2019年にフェイスブックに入社した。5日には米上院消費者保護・製品安全・データセキュリティ小委員会で証言を予定している。

フェイスブック元従業員のフランシス・ハウゲン氏(37)が「60ミニッツ」に実名で出演した

フェイスブックは一連の報道に強く反発し、多くの主張が誤解を招くもので、同社のアプリは害悪をもたらすより役立つ存在であると主張している。

フェイスブックの広報担当は番組終了後間もなくCNN Businessに寄せた声明で、「我々のチームは日々、数十億人の人々が自由に自分を表現できる機能を守ることと、我々のプラットフォームを安全で有益な場所に保つ必要性とを衡量する必要がある」「我々は誤情報や有害コンテンツの拡散に対応するために大きな改善を実施し続けている。我々が悪質なコンテンツを推奨していて何もしていないと示唆することは正しくない」と述べた。

番組から数時間後には長文の声明文も発表し、インタビューで抜け落ちている事実とする部分を指摘。製品改善のための調査について誤解を招く話になるように、選ばれた会社資料がインタビューで使われたと述べた。

CNN Businessはフェイスブックの主張について番組の広報担当に尋ねたが、まだ返答はない。

フェイスブックの告発者が実名でテレビ出演

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