中国のステルス戦闘機「J20」、国産エンジン搭載した改良機を初公開

第13回中国国際航空宇宙博覧会で飛行する「J(殲20)」=28日、中国南部広東省の朱海/Ng Han Guan/AP

2021.09.29 Wed posted at 10:20 JST

香港(CNN) 中国は28日、同国の最新鋭ステルス戦闘機「J(殲20)」に国産エンジンを搭載した改良機を初公開した。米国のF22に対抗するためJ20の能力強化を図る中国にとって重要な節目となる。

中国南部・広東省珠海で航空ショーに登場したJ20には、国産の「WS10エンジン」が搭載されていた。WS10エンジンは、J20の初期モデルに搭載されたロシア製エンジンを置き換える目的で人民解放軍空軍により開発された。

国営環球時報は6月、国産エンジンを積んだJ20の部隊が北東部で編成されたと報道。中国中央テレビ(CCTV)の映像には、J20が共産党結党100年の記念式典で飛行する様子が映っていた。

だが、国産エンジン搭載機が中国の一般国民や外国人に公開されたのは今回が初だった。

J20には中国国内で開発された「WS10エンジン」が搭載されている

中国は2011年にJ20を初めて飛行させ、16年11月の珠海航空ショーで一般公開した。18年には実戦配備を宣言した。

米国のF22やF35に対する中国の応答と喧伝(けんでん)されてきたJ20について、アナリストからは、空中戦と対地攻撃という2つの中核的な役割が想定されているとの指摘が出ている。

環球時報は6月の記事で、国産エンジンの使用は「J20がますます技術的に成熟しつつある」ことを示していると報じた。

さらに匿名の軍事専門家の話として、「中国各地に拠点を置く人民解放軍(PLA)の部隊は今後、さらに多くのJ20を獲得するとみられている。祖国の主権と領空、発展の利益を守るPLA空軍の能力は大幅に強化される」とも伝えた。

ただ、米当局者は長年、J20は米国のステルス戦闘機に及ばないと指摘してきた。

16年には、米空軍のゴールドファイン空軍参謀総長(当時)がJ20の技術について、米国が1983年に導入し2008年までに退役させたF117Aにより近いとの見方を示していた。

中国、国産エンジン搭載のステルス戦闘機「J20」初公開

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