ベルリン(CNN) ドイツ総選挙が26日投開票され、出口調査によれば、左派のドイツ社会民主党(SPD)が僅差でリードしていることがわかった。しかし、接戦となった選挙の最終的な結果は依然として確定していない。
フォアシュングス・グルッペ・バーレンの出口調査によれば、SPDの得票率は25.7%。メルケル首相のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の得票率は24.6%だった。これに、緑の党の同14.4%や、ドイツのための選択肢(AfD)の同10.7%が続いている。
得票が僅差だったことは、今回の総選挙は現時点では勝敗の予想がつかないほどの接戦で、次期政権や次期首相について予測するのが不可能なことを意味している。郵便投票も多くが未集計のままだ。
SPD本部で手を振るショルツ副首相/Odd Andersen/AFP/Getty Images
いずれの政党が第1党となったとしても、政権樹立には長期間にわたる交渉が予想される。
しかし、SPDにとっては、CDUとの接戦は躍進といえそうだ。前回行われた2017年の選挙時、SPDの得票率は20.5%だった。
SPDのショルツ副首相は党本部で、「有権者はSPDの議席増を決めた。そして、これは大きな成功だ」と述べた。ショルツ氏は自身が次期首相となることを有権者が望んでいるとの見方も示した。
一方、CDUの本部は、出口調査の結果が出ると、意気消沈した雰囲気となった。出口調査によれば、得票率は史上最も悪い結果となりそうな状況となっており、17年の選挙時より8ポイント下落した。
CDUのラシェット党首は支持者に対して、今回の選挙結果について満足していないと述べたが、最終的な結果は確定していないとも指摘した。
CDUは選挙戦で、メルケル首相後の安定を訴えかけた。メルケル氏は16年にわたった首相職から退くことが決まっている。しかし、CDUにとっては厳しい結果となった。
緑の党の本部でも出口調査が発表されると歓声がわいた。ドイツでは今夏、一部地域が洪水に見舞われて死者が出るなどして、選挙戦では、環境問題や経済への懸念が主要な争点ともなっていた。
ドイツ総選挙、SPD本部で歓声