ウクライナで大統領側近狙った暗殺未遂、10発超の弾丸が車に命中

ゼレンスキー大統領の側近が乗っていた車の弾痕を検証する捜査官/Serhii Nuzhnenko/Reuters

2021.09.23 Thu posted at 14:35 JST

(CNN) ウクライナの首都キエフ郊外で22日朝、ゼレンスキー大統領の最側近を乗せた自動車が銃撃を受けた。警察当局は暗殺未遂だったとの見解を示した。

同国警察は声明で、セルヒー・シェフィール氏を乗せた車は午前10時ごろ、リスニキ村を走行中に銃撃を受けたと発表。10発超の弾丸が車両に命中し、運転手が負傷したという。

警察当局は犯人捜索のために特殊作戦を進めており、「ウクライナ国民2人の命を狙った暗殺の企て」が起きた状況に関する情報提供を呼び掛けている。


ウクライナ内務省が公開した車に残る弾痕/UKRAINIAN INTERIOR MINISTRY PRES/AFP via Getty Images

現在は国連総会への出席のため米ニューヨークに滞在しているゼレンスキー大統領は、フェイスブックに動画を投稿。襲撃に関与した者が誰であるかはまだ分からないとしつつ、自身の側近の一人を標的とするというのは弱さの表れだと評した。

同大統領は動画で、22日に国連で演説をした後、ウクライナへの帰途に就くと説明。「率直に言って、誰が事件の背後にいるのかまだ分からない」ものの、「私の友人を乗せた車を銃撃することで私にメッセージを伝える行為は弱さの表れだ」と述べた。

ゼレンスキー大統領(左)とシェフィール氏(右)。キエフでの会合で2019年9月に撮影

その一方、シェフィール氏は事件後、内務省の会見に姿を見せ、「私の方から言えるのは、今回の企てが権力の最高レベルを脅すためになされたものということだけだ。だが我らが大統領には強い意志があり、何をもってしても彼を脅せない。彼は正しい道を選び、自らの道を歩んでいる。国民は彼を支持している」と話した。

当局は容疑者や犯行動機を確定できていない。大統領府トップの顧問を務めるミカイロ・ポドリアック氏は、今回の事件が新興財閥の影響力をそぐ政策に関係しているかもしれないとの見方を示した。ゼレンスキー氏は事件後、腐敗との闘いや国の改革の取り組みをを継続すると誓った。

一部の同国議員は本件に「ロシアの痕跡」があるとの見方を示したが、ロシア大統領府はそれを否定した。

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