森林火災多発の北半球、二酸化炭素の放出量が過去最高を記録

山火事が発生した米カリフォルニア州ジェーンズビル近郊=8月17日/Patrick T. Fallon/AFP/Getty Images

2021.09.22 Wed posted at 10:32 JST

(CNN) 欧州連合(EU)の地球観測プログラム「コペルニクス大気監視サービス(CAMS)」が21日に公表したデータによると、北半球ではこの夏に各地で相次いだ森林火災の影響で、記録的な量の二酸化炭素が放出された。

大規模な火災は地中海沿岸部や北米、シベリアなどで発生し、この夏の間に27億トン以上の二酸化炭素が放出された。7月と8月には火災による月間の放出量がそれぞれ過去最高を記録。7月の放出の半分以上は北米とシベリアの火災が原因だった。

欧州のこの夏の気温は観測史上最高を記録し、地中海や北極圏、カナダの一部でも記録を大幅に更新した。

人間の活動による気候変動の影響で、異常気象の頻度や激しさが増し、地中海は干ばつや熱波に襲われて山火事が多発、大量の煙による汚染物質が放出されている。

一方、地球全体の2倍以上のペースで温暖化が進む北極圏でも森林火災が発生し、6月~8月にかけて6600万トンの二酸化炭素が放出された。

山火事によって米カリフォルニア州グリーンビルの大部分が焼失した

コペルニクスの専門家、マーク・パーリントン氏は「火災の件数、焼失した面積、火災の激しさや持続性も異常さが際立っていた」と指摘する。

シベリア北東部サハ共和国の森林火災は6月に発生し、8月下旬になってようやく縮小を始めたが、一部の火災は9月に入るまで続いた。

パーリントン氏によると、シベリアの6~8月の放出量は、コペルニクスが観測を始めて以来の過去19年に記録された量の2倍以上と推定される。

一方、カナダの一部や米太平洋岸北西部、カリフォルニア州では6月下旬から7月初旬にかけて大規模な火災が発生。一部は今も燃え続けている。

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