タリバン政権下の女子学生、教室はカーテンで仕切り ベール着用義務も

ロイター通信がSNSで入手した教室の様子=6日、アフガニスタン首都カブールの大学/SOCIAL MEDIA/REUTERS

2021.09.08 Wed posted at 14:45 JST

(CNN) イスラム主義勢力タリバンが実権を握ったアフガニスタンの大学などで新学期が始まっている。女子学生は男子の席との間をカーテンで仕切られ、イスラム教徒の女性が頭を覆うスカーフ「ヒジャブ」の着用を義務付けられた。

アフガンでは旧タリバン政権下の1996~2001年、女子は教育を受けたり仕事を持ったりすることが禁じられたが、政権崩壊後は通学、通勤とも自由だった。

復権したタリバンは、女性も表舞台で役割を果たす分け隔てない社会を主張しているが、現実がその通りになるかどうかを疑問視する声も多い。

SNSに投稿された写真には、米軍撤退後に再開した大学の授業風景が写っている。

タリバンが運営する教育省は先日、国内131の大学を代表する大学連合が提出した男女別学の案を承認した。

提案では、男子と女子が別々の入り口から校舎に入ると定められている。男女合同の授業は女子学生が15人より少なく、教室がカーテンで仕切られている場合のみ許可される。

私立大学で新たに設ける授業は男女別別々とする。また全ての大学で、女子学生が祈りをささげる専用のエリアが指定される。

ヒジャブは女子学生や女性の講師、職員ら全員に義務付けられる。各大学は女子を教える教授に、高齢で信頼できる人物を選ぶことが求められる。

カーテンで仕切られた教室

首都カブールにあるバフタル大学のワヒード・ロシャン副総長は、同大学がこの案に従うとしたうえで、環境整備が難しい大学もあるだろうと述べた。

バフタル大学の学生2000人のうち、女性は約2割。ロシャン氏は男女別々の授業も可能だと述べたが、他大学では教室内を仕切るのが難しい状況も考えられる。

女子学生の扱いに対する意見はさまざまだ。政治学専攻の学生、サハルさんはCNNに、タリバンに女子の高等教育を禁止されなくてよかったと語る一方、新たなルールは極端だと主張。「カブールには多くの女子学生がいる。みんな自分の着る服や行く大学、教室で男子と座るかどうかも選べる自由な環境で育ってきた。極端なルールに順応するのはあまりにも難しい」と語った。

タリバンによる実権掌握の前から女子学生は控えめな服装だったと強調し、これ以上制限を加える必要があるとは思えないとも話す。サハルさん自身、新たな規則の下で研究を再開したいとしながらも、長続きするかどうか分からないと述べた。

カブール市内に住む20代前半の学生ジバさん(仮名)は、現在の治安状況や今後タリバンが締め付けを強める可能性を考えて、大学卒業の夢を捨てかけていると話し、「家にいるほうがいい」とつぶやいた。

一方、昨年高校を卒業した19歳のミナ・カセムさんは、大学が始まるのがとてもうれしいと語った。「女子に大学の門戸を開いてくれている限り、私は言われるままにどんなヘジャブでも着ける」「私の人生の新たな章が始まる」と、声を弾ませた。妹も今年卒業し、年内には私立大学に出願するという。

ミナさんはまた、女子が将来発言権を持とうとするなら、どんな状況下でも教育を受ける必要があると力説した。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。