香港警察、民主活動家4人を逮捕 天安門事件追悼集会の運営メンバー

「香港市民支援愛国民主運動連合会」(支連会)の鄒幸彤副主席/Anthony Kwan/Getty Images

2021.09.08 Wed posted at 15:50 JST

香港(CNN) 香港警察は8日早朝、民主派の団体に属する活動家4人を逮捕した。警察の命令に従わず、国家安全保障に関する情報の提出を拒んだためとしている。

当該の団体「香港市民支援愛国民主運動連合会」(支連会)は、毎年香港で開催される天安門事件の追悼集会を運営している。

CNNが先月下旬に確認した書簡によると、警察は支連会の資金やメンバーについての詳細な情報を求めていた。同団体が「外国のエージェント」として活動しているとの告発に関係した対応で、事実であれば中国政府が昨年導入した香港国家安全維持法(国安法)に違反するとしている。

書簡では支連会に対し、14日以内に情報を提出しなければ最大で禁錮6カ月の刑を受けることになると警告していた。

支連会によると、逮捕されたのは鄒幸彤副主席と常任委員会のメンバー3人。

鄒氏は8日早朝、ソーシャルメディアへの投稿で、警察が自宅のドアのベルを鳴らし、ドアを開けようとしていると明かしていた。

CNNは香港警察にコメントを求めたが返答はない。

7日に記者会見を行った鄒氏と支連会のメンバー

支連会は30年以上前に結成され、北京で民主主義を求めて抗議活動を行う人々を支援してきた。5日には、今回の警察の求めに従うつもりがないことを表明していた。提出を求められた情報の中には、メンバーの詳細な個人情報や、香港、台湾、その他の国々の政治団体と行った会議の記録などが含まれるという。

これに対し香港の治安当局は同日、声明で「国家安全保障を危険にさらすのは極めて重大な犯罪」「手遅れになる前に即刻情報を提供するべきだ」と警告を発していた。

それでも支連会は7日、警察宛ての書簡で情報提供を求める根拠が不十分だと主張。自分たちは「外国のエージェント」ではなく、警察側がそう信じる理由を説明する必要があると述べた。

またメンバーの1人は、司法審査を申し立てて警察の要請に異議を唱えたとも明らかにした。

しかし香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は7日、警察に従わない支連会を強く非難。香港警察トップの鄧炳強(クリス・タン)警務処長も、警察の命令を守らない人々は相応の結果に直面すると警鐘を鳴らしていた。

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