ロンドン(CNN) 欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービス(C3S)は7日、欧州の今年の夏は観測史上最も暑かったと発表した。
欧州はこの数カ月の間に相次ぐ異常気象に見舞われた。ドイツやベルギーでは記録的な豪雨による大規模な洪水が発生。南欧では熱波による山火事が続いた。
6月初めから8月終わりにかけての平均気温は、2010年と18年に観測したこれまでの最高記録を約0.1度上回った。1991~2020年の平均に比べると1度の上昇だった。これは人間が引き起こした地球温暖化の長期的な傾向を映し出している。
欧州は2020年の気温も観測史上最高を記録していた。
この夏の気温は地域によって偏りがあり、欧州南部で記録的な熱波を観測して東部も平均を上回った一方、北部の気温は平均を下回った。
イタリアはシチリア島で8月11日に48.8度を記録。世界気象機関(WMO)が確認すれば、欧州史上最高となる。それまでの最高はギリシャのアテネで1977年に観測された48度だった。
グリーンランドの最高地点では8月14~15日にかけて気温が0度を超え、観測史上初めて雪ではなく雨が降った。0度を超えたのはこの10年足らずで3度目。グリーンランドの氷床に降り注いだ雨の量は70億トンに上った。
人間が引き起こした地球温暖化の影響で、異常気象の頻度や激しさは増している。世界で相次ぐ熱波現象と気候変動との関連は科学的な研究によって指摘されている。