(CNN) 米東部はハリケーン「アイダ」から勢力を弱めた低気圧の影響で記録的な豪雨に見舞われ、2日までに46人が死亡した。ニュージャージー州のマーフィー知事は同日夕、同州で少なくとも23人が死亡したと述べた。
マーフィー氏によると、死者の半数超は車中で洪水に遭った人だという。複数の当局者は、多数が安否不明となっていると明らかにした。
死者はコネティカット、メリーランド、ニュージャージー、ニューヨーク、ペンシルベニア、バージニアの東部6州で発生している。
コネティカット州では、行方不明の通報に対応した州警察の1人が水に押し流され死亡した。
運転手が車を捨てて冠水した道路から避難する例が相次いだほか、ニュージャージー州南部では竜巻で住宅が倒壊し、片付け作業に追われている。
ペンシルベニア州フィラデルフィア一帯では一部の通りが冠水。鉄道やバスの運行に遅れが発生したほか、複数の市の建物が閉鎖された。市民には在宅勤務が呼び掛けられている。
ニューヨーク州ママロネックで住民を救助/Mike Segar/Reuters
フィラデルフィアやその周辺、デラウェア州北部、ニューヨーク州の一部では2日午前、救助隊がボートで冠水した道路を移動し、浸水した家から人々を救助した。
ペンシルベニア州の緊急事態管理当局トップによると、同州だけで数千件の避難活動が行われたとみられる。
バイデン大統領は「多くの被害が出ている。各州の知事に対し、連邦緊急事態管理局(FEMA)のチームが現場入りしており、必要な全ての支援を提供する準備ができていると明確に伝えた」と述べた。
ニューヨーク市では1日夜、救急隊が運行停止となった地下鉄から通勤者を救助した。他の乗客は地下鉄の駅構内に一晩中足止めされ、ベンチで寝る人の姿も見られた。
ニューヨーク州のホークル知事は1日午前、CNNに対し、ニューヨークは災害に慣れているが今回は大規模な片付け作業になるだろうと予想し、住民に対し「自宅にとどまり、近所の人の無事を確認してほしい」と呼び掛けた。
ニューヨーク州とニューヨーク市、ニュージャージー州で緊急事態が宣言された。ニューヨーク市の消防当局によると、冠水した道路上の車から数百人、地下鉄からも数百人が救助された。
フィラデルフィア州オークデールで商店の地下にたまった水を排出/Gene J. Puskar/AP
死者45人のうち16人はニューヨーク州で、13人がニューヨーク市、3人がウェストチェスター郡で亡くなった。同郡の3人は鉄砲水の中車外に出て亡くなったという。
ペンシルベニア州では、モンゴメリー郡行政委員会トップが3人の死亡を発表。同郡ブリッジポートでは別の当局者が同市で1人死亡したと伝えた。
メリーランド州、バージニア州でもそれぞれ1人亡くなった。
地下鉄の駅に水、竜巻も発生 米東部で豪雨