米軍、カブールで「自衛的空爆」 自爆計画のISIS―K構成員狙う

カブール市内での爆発で立ち上る煙=29日/Haroon Sabawoon/Anadolu Agency/Getty Images

2021.08.30 Mon posted at 10:55 JST

(CNN) 米中央軍司令部は29日、米軍がアフガニスタンの首都カブールの住宅地で、国際空港に差し迫った脅威を及ぼす過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)の分派組織「ISIS―K」の自爆未遂容疑者を狙って「自衛的空爆」を実行したと発表した。

中央軍司令部のビル・アーバン報道官は、無人機で車両1台を攻撃し、ISIS―Kが空港に及ぼしていた脅威を排除したと述べた。

アーバン氏によると、車両が相当な規模の二次爆発を起こしたことから、かなりの爆発物が積まれていたと推定される。

アフガンの実権を握るイスラム主義勢力タリバンは同日、米軍の空爆は主権侵害だと非難した。タリバンの報道官はCNNに、米国はタリバンに通知するべきだったと述べた。

米当局者の1人はCNNに、標的の車は建物の隣にあり、自爆犯1人が乗っていたと語った。この車自体が車爆弾として利用される予定だったか、あるいは自爆犯がこの車を爆弾の輸送目的に使っていたのかは不明だが、同当局者によると攻撃の準備は完了していたとみられる。

カブール国際空港で避難民の手続きを進める米海兵隊員

アーバン氏は29日、空爆で民間人が死傷した可能性については調査中だが「現時点でその形跡はみられない」と述べていた。

一方で近隣住民らは、子どもを含む複数の死者が出たと話している。CNNと提携する地元のジャーナリストは、死者のうち1人の兄弟から聞いた話として、子ども6人を含む家族9人が亡くなったと伝えた。

カブールの空港では26日にテロが発生し、ISIS―Kが犯行声明を出した。米軍は27日に報復措置として、東部ジャララバード近郊で無人機による空爆を実施し、ISIS―Kのメンバー2人を殺害したと発表した。バイデン米大統領は28日、空港が再度テロ攻撃を受ける可能性は高いと指摘していた。

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