カブール空港付近で自爆攻撃 米兵13人、アフガン人90人超が死亡

爆発が起きたのはカブール国際空港のアビーゲート付近/cnn, planet labs

2021.08.27 Fri posted at 07:11 JST

(CNN) アフガニスタン首都カブールの空港付近で2件の自爆攻撃があり、米国防総省やアフガン保健当局によると、米兵13人とアフガン人90人超が死亡した。

アフガンでは現在、イスラム主義勢力タリバンによる国内掌握を受け、欧米諸国が自国民やアフガン人協力者の退避を急いでいる。

アフガンの保健当局者はCNNに対し、アフガン人150人超が負傷したと明らかにした。


爆発が起きたのはアビーゲート付近/cnn, planet labs

米中央軍のケネス・マッケンジー司令官によると、米軍では死亡した12人に加え、要員15人が負傷したという。

複数の米当局者はここ1週間、空港でのテロ攻撃の脅威が高まっていると述べていた。現地時間26日には、カブール駐在の米外交官が米国人に対し、治安上の脅威を理由に空港のゲートから「直ちに」離れるよう警告していた。

米国防当局者の1人もCNNに対し、過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)のアフガン分派組織が絡む「非常に具体的な一連の脅威」を懸念していると述べていた。


カブール国際空港付近の爆発で上がる煙=26日/Wali Sabawoon/AP

分派組織の「ISISホラサン(ISIS-K)」は、ISISの戦闘員が自爆攻撃を実施したと主張したものの、裏付けとなる証拠は示さなかった。

米高官や事情に詳しい情報筋によると、米当局の見方では今回の攻撃にISIS-Kがかかわった可能性が高いものの、まだ関与を確認できていないという。別の情報筋はCNNに対し、自爆テロを実施した個人を特定するには数時間かかる可能性があると述べた。

ここ数日、カブールの空港のゲート前には国外退避を試みるアフガン人数千人が集まっていた。

爆発による負傷者が病院に運ばれる=カブール

26日にSNSに投稿された映像には、地面に遺体が並ぶ中で、人々が負傷者を手助けしようとする様子が映っている。負傷したとみられる人が手押し車で搬送される様子を捉えた写真もある。

国防総省のカービー報道官によると、爆発のうち1件はカブール空港の「アビーゲート」で発生。さらに「これとは別にアビーゲートに近いバロンホテル、もしくはその付近でも少なくとも1件の爆発」が起きたという。

アビーゲートは同空港の主要な入り口となっており、主に米海兵隊が警備を担っている。ゲート周辺の区域は、空港外にあるタリバンの検問所を通過した避難民が一時的にとどまる場所として使われていた。


バロンホテル前に集まるアフガン人の避難民。英国軍が周囲を守る=26日/Marcus Yam/Los Angeles Times/Shutterstock

一方、バロンホテルは英軍兵士や同盟国が使用しており、避難民をアビーゲートに移送する前の対応センターとなっていた。爆発発生時に多国籍部隊が一帯にいたかどうかは不明。

カブールの米大使館は爆発を受け、同空港のアビーゲートや東ゲート、北ゲートにいる米国民は「直ちに離れるべき」だと呼び掛けた。

中央軍のマッケンジー司令官によると、爆発の直後、銃を持った集団が軍要員や民間人に発砲したという。

ホワイトハウス当局者は、バイデン大統領が一連の攻撃について報告を受けたと明らかにした。バイデン氏はここ数日、8月31日までに米軍を撤収させる理由として、テロ攻撃の脅威を挙げていた。

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