(CNN) アラブ首長国連邦(UAE)外務省は18日、アフガニスタンの大統領だったアシュラフ・ガニ氏が同国に滞在していることを明らかにした。ガニ氏は数日前、イスラム主義勢力タリバーンが迫る中でアフガンの首都カブールから逃亡していた。
外務省は声明で、「UAEはアシュラフ・ガニ大統領とその家族を人道的理由から受け入れた」と述べた。
ガニ氏は18日にフェイスブックで共有した動画で、出国したのは流血を避けるためだったと改めて説明。アフガンがシリアやイエメンのようになるのを防ぎ、大統領職にとどまって「絞首刑に処される」事態を避けたい考えがあったとも述べた。
大金を持って出国したとの批判については、「根拠のないうそ」とし、「これらの批判はいずれも裏付けがなく、真実ではない。強い言葉で拒絶する」と述べた。
ガニ氏が急きょ出国することになったきっかけは米国のアフガン撤退だ。これにより、タリバーンがアフガン治安部隊に攻勢を仕掛ける道が開け、先週には主要な都市や州が、ほとんどあるいは全く抵抗なく陥落した。
米情報機関の分析官は当初、アフガン文民政権の崩壊には数週間かかると予想していたが、タリバーンは15日に首都カブールの大統領宮殿を制圧。この際、ガニ氏は目立たない形で出国した。
ガニ氏の突然の出国に対しては、アフガンをタリバーン政権下での不透明な運命に委ねることになったとの批判も出ている。
だが、ガニ氏は今回、事態が急速に展開したとして自身の出国を擁護。平和的な権力移行を確実にするためタリバーンと協議していたことも明らかにした。