航空業界で身だしなみ規程緩和の動き、化粧やネイルも性別問わず

米ユナイテッド航空が、客室乗務員の身だしなみに関する規程の緩和を打ち出した/Courtesy United

2021.08.14 Sat posted at 17:00 JST

(CNN) 米ユナイテッド航空が、包括性を重視する立場から、客室乗務員の髪型や化粧、タトゥーなどに関する身だしなみ規程の緩和を打ち出した。

客室乗務員の身だしなみ規程は厳格なことで知られる。航空会社の多くは男女別に客室乗務員の制服を指定し、髪型や化粧にも細かい規則がある。

しかしユナイテッド航空は9月15日から、接客担当の従業員が目に見える場所にタトゥーを入れることを認める。化粧やネイルも本人が希望すれば、性別を問わずに許可される。髪を下ろすことも性別に関係なく認める。

同航空によると、今回の規程緩和の目標は、乗務員に「職場でありのままの自分が歓迎されていると感じてもらい、自分の個性を尊重しながら、グローバルなユナイテッドブランドの大使を務めてもらう」ことにある。


ユナイテッド航空は乗務員の髪型に関する規程も性別問わず緩和する/Courtesy United

ただし依然として制約はある。目に見える場所のタトゥーは、従業員が職場で着用するバッジより小さくなければならない。髪を下ろすことができるのは、肩までの長さかそれ以下の長さの場合に限られる。

接客担当の従業員が目に見える場所にタトゥーを入れることを認める

それでも航空業界にとってこの変化の意味は大きい。

例えば女性従業員がスカートではなくズボンを着用することや、化粧しないことをヴァージン・アトランティック航空が認めたのは2019年だった。

一方、ブリティッシュ・エアウェイズは今も男性従業員の髪型について「プロフェッショナル環境にふさわしい伝統的なスタイルでなければならない。剃ったスタイルや彫刻スタイル、長髪は許容されない」と定めている。

客室乗務員組合ユナイテッド航空支部のケン・ディアス支部長は、ユナイテッド航空の新規程を歓迎すると述べ、「これで職場の包括性が高まって全ての客室乗務員が自分のままでいられるようになり、航空業界の救急対応要員としての仕事に100%集中できる」と評価した。

ユナイテッド航空は年内に、操縦士を含む他の従業員も規程緩和の対象とする方針。

同航空は新型コロナウイルスの流行前に新しい制服の導入を予定していたが、この計画は延期になった。

その間に、「包括性の機会を追求する我々のブランド価値に沿わせ、制服と身だしなみ規程のあらゆる側面について検討してきた」という。

本人が希望すれば、ネイルも性別に関係なく許可される

新興の航空会社の中には、最初から性別を問わないジェンダーニュートラルの制服を採用するところもある。韓国で国内便を運航するエアロKは、インスタグラムへの投稿で、客室乗務員の制服デザインについて「年齢や性別に関係なく各種の任務をもっとうまく遂行できる」ことを目指したと説明した。

スタイリッシュな同航空の制服は、ファッション誌ヴォーグ・コリアのSNSでも紹介されている。

アイスランドの新興航空会社PLAYも性別を問わない制服を打ち出した。赤とグレーを選択できるようにしたのは、快適性と実用性を優先したためだと説明。「ハイヒールで走り回ることは忘れよう。快適なスニーカーこそふさわしい。髪型や化粧、タトゥー、ネイルに関する指示はなくなった」「制服は性別を指定しない。乗員は多様な選択肢の中から自分に合ったものを選択できる」としている。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。