ニューデリー(CNN) インドのデリーで1日、伝統的な身分制度であるカーストの最下層「ダリト」の少女(9)が死亡し、殺人とレイプの容疑で捜査が進む事件をめぐり、市内では同日夜から連日、抗議デモが展開されている。
警察当局者が母親の話として語ったところによると、少女は市内の火葬場から水をくみに出たまま戻らなかった。母親は30分後、火葬場の僧侶に呼ばれて、ベンチに横たわった娘の遺体を見せられた。
少女の唇は青く、唇から手首まで焼けていると僧侶らから説明を受け、水をくもうとして感電死したのだと告げられた。警察を呼ぶと面倒なことになるので火葬しようと説得され、遺体は両親が立ち会う前で焼かれた。
両親が帰宅すると、村では約200人の住民が集まり、レイプの疑惑を指摘した。警察はこの夜、少女の死にかかわったとして男4人を逮捕した。カーストに基づく暴力として、遺族らの主張するレイプの疑いなどを捜査している。
警察当局者によると、遺体は焼却されたため、検視では何も確認できなかった。少女の着衣に付着した体液などの証拠を調べているという。
抗議デモは1日夜に現場付近で始まり、日を追って激しさを増してきた。3日には一部の参加者らが、モディ首相をかたどった人形に火をつけ、同氏の沈黙を非難した。
政府の指導者らが口を閉ざしているとして、バツ印を描いたマスクで抗議する参加者もいた。
4日のデモ参加者は、警察が昼前の時点で約80人と推定していたが、まもなくさらに増え始め、現地のCNN取材班は300人近いとの見方を示した。警察は治安要員200人が出動したことを確認した。
参加者らはスローガンやプラカードで「裁き」を求めた。少女の母親が村の支援者らとともに登壇し、泣きながら娘に「帰ってきて」と呼び掛けていた。