「表彰台での抗議容認を」、選手や元メダリストがIOCに公開書簡

1968年大会の表彰台で黒人差別に抗議し拳を高く掲げる「ブラック・パワー・サリュート」を行ったトミー・スミス氏とジョン・カーロス氏。IOCへの公開書簡に署名した/Bettmann Archive

2021.07.24 Sat posted at 12:16 JST

(CNN) 150を超えるアスリートやスポーツ団体、人権および社会正義の専門家は24日までに、表彰台などで抗議を行う「基本的人権」を選手に認めるよう国際オリンピック委員会(IOC)に求める公開書簡に署名した。

書簡はIOCに対し、抗議行動をした選手への処分を「控える」よう求める内容。署名者には米女子ハンマー投げのグウェン・ベリー選手や、表彰台で拳を突き上げたことで有名な1968年大会のメダリストのトミー・スミス氏やジョン・カーロス氏が含まれる。

書簡では、選手による五輪関係の場所での抗議行動を禁止した五輪憲章第50条の廃止を求めている。

IOCは4月、10カ月に及んだ検討作業を完了し、50条の維持を決定した。しかし7月には、競技直後に記者から質問を受けるミックスゾーンや記者会見、インタビュー、競技開始前の時間帯での意見表明を認める修正を加えていた。

IOCは50条の目的について、大会の焦点が選手のプレーに当たるようにするためとしている。

6月の選考会で国歌演奏中に米国旗の方を向かなかったグウェン・ベリー選手も署名した

今回の書簡では、こうした修正が「継続的な関与に前向き」なIOCの姿勢を示すものだと認める一方、修正が「基本的人権としての表現の自由や、世界のスポーツ界での人種的・社会的正義への取り組み」を反映していないと主張している。

さらに「世界のスポーツコミュニティーは人種的・社会的正義の問題で転換点にある」との見方を示し、IOCに対し「オリンピック・パラリンピック運動のリーダーとして、人権や人種的・社会的正義、社会的包摂にもっと注力する」よう呼び掛けている。

書簡に署名したグウェン・ベリー選手は6月に行われた陸上の米国内選考会で、国歌演奏中に米国旗の方を向くことを拒否し、注目を集めていた。

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