欧州西部襲った洪水、死者189人に 被災地の惨状あらわに

洪水に見舞われたベルギー・ペパンステ=17日/Olivier Matthys/Getty Images

2021.07.19 Mon posted at 10:34 JST

(CNN) 欧州西部を襲った洪水で、これまでに少なくとも189人の死亡が確認され、数百人が行方不明になっている。自宅に戻ることができない住民は数万人に上り、多くは電力や飲み水も確保できない状況にある。

記録的な豪雨による洪水は、ドイツ西部から隣国のベルギーやオランダにまで広がった。

オランダ南部では17日、マース川が過去100年あまりで最も高い水位に達し、一帯の住民が避難した。マース川に面したフェンローでは1万人が自宅からの避難を強いられた。

16日には南リンブルフ地域で堤防が決壊し、周辺で大規模な洪水が起きていた。

一方、ドイツでは週末にかけて水が引き、洪水がもたらした惨状があらわになっている。

ドイツ連邦軍の兵士が洪水に巻き込まれた人々の捜索を行う=17日、ドイツ・エアフトシュタット

集落や鉄道、道路が押し流され、少なくとも158人が死亡した状況を、ドイツのシュタインマイヤー大統領はこの100年で「最悪の自然災害」と形容した。

特に西部ラインラント・プファルツ州の被害は大きく、同州コブレンツの警察警察は18日、110人の人命が失われたと発表した。

被災地のシュルトを18日に訪れたメルケル首相は、アデナウで記者団の取材に「これほどの惨状を言い表す言葉はドイツ語にはない」と絶句。迅速な被災地支援を約束した。

ローマ教皇フランシスコも同日、バチカンで行った礼拝で犠牲者を追悼した。

ベルギー国家危機管理センターは18日、洪水の被災地について「当面の危機を脱した」と言及。犠牲者の捜索は現在も続いているが、最悪の被害に見舞われた地域で飲料水が不足していることが、現時点で最大の懸念だと指摘した。同国では少なくとも31人が死亡している。

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