バイデン氏、アフガン撤退の決断を擁護 「国家建設に行ったわけではない」

アフガン撤退の決断について話すバイデン米大統領=8日、ホワイトハウス/SAUL LOEB/AFP/Getty Images

2021.07.09 Fri posted at 08:07 JST

(CNN) バイデン米大統領は8日、アフガニスタン駐留米軍の撤退に触れ、戦争終結を決めた自身の決断を強く擁護した。米国がどれだけ駐留を継続しても、アフガンが抱える厄介な問題を解決することはできないと主張した。

バイデン氏はその上で、米国の人命や資金、関心は別の場所に集中させるべきだと主張。アフガンの反政府武装勢力「タリバーン」が完全支配を確立する可能性について問われると、バイデン氏は語気を強め、アフガンの歴史には米国に何かできることがあると示唆する要素は何もないと述べた。

さらに自国の防衛を担うのは今やアフガン人自身だとし、20年に及んだ戦争を経て、これ以上米国にできることは何もないと語った。

バイデン氏はこの日、国家安全保障チームから現地の治安情勢悪化について説明を受けた後、ホワイトハウスのイーストルームで演説に臨んだ。

バイデン氏がアフガン戦争終結の決断について公式の場で触れたのは、4月に撤退計画を発表してから初めて。長年戦争に懐疑的だったバイデン氏は、兵力維持を求める軍指導部の声をはねのけ、駐留継続によって得られるものはないと判断した。

アフガン撤退の決断について話すバイデン米大統領=8日、ホワイトハウス

米国の急な兵力削減と時を同じくして、アフガンではタリバーンが勢力を伸長させており、米軍の支援なしではアフガン政府は崩壊するとの懸念が強まっている。

バイデン氏はこうした状況は自身の決断を正当化するものだと主張。「現在の治安状況からは、あと1年アフガニスタンで戦っても解決にはならないことが確認されるだけだ」と述べた。

バイデン氏は演説で、米軍は当初の予定より数週間早い8月31日に任務を終えると説明。国際テロ組織アルカイダを解体し、アルカイダの指導者だったオサマ・ビンラディン容疑者を殺害した時点で、軍の任務は完遂していたとの認識を示した。

「これらの目的は達成した」「我々はアフガンに国家建設に行ったわけではない。自分たちの将来や国家運営のあり方を決めるのは、ひとえにアフガン国民の権利と責任となる」としている。

バイデン氏、アフガン撤退の決断を自ら擁護

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