アルカイダ幹部らアフガン管理施設で拘束、米軍撤退で警備懸念

米軍が撤退したアフガン首都近郊の施設にはテロリストなど数千人が拘束中だという/Mohammad Ismail/Reuters

2021.07.08 Thu posted at 18:10 JST

(CNN) 駐留米軍が撤退を完了したアフガニスタンの首都カブール北郊にあるバグラム空軍基地に隣接し管理がアフガン側に全面的に委ねられている拘束施設内に、国際テロ組織アルカイダや反政府武装勢力タリバーンの幹部を含む数千人規模が今なお留め置かれていることが8日までにわかった。

アフガン政府や治安担当当局者がCNNに明らかにした。米国の支援を欠いた場合、この拘束施設の警備態勢などは脆弱(ぜいじゃく)になるとの危機感を示している。

拘束者は7000人との情報があるが、アフガン国防省の報道担当者は5000人とした。200〜300人が犯罪者で残りはテロリストだという。アルカイダやタリバーン、麻薬密輸組織の「大物」も含むとした。

ただ、脱走につながる事態が起きることは否定。基地を守る十分な兵力を備え、拘束者を管理する能力も有しており懸念はないなどと主張した。

首都カブールから車で1時間の場所にある同空軍基地は米軍による約20年にも及ぶアフガン軍事作戦の重要拠点だった。拘束施設は2013年にアフガン軍へ運営が委ねられたが、米国が後年に運用権限を握った基地とは至近距離にあるため警備態勢は強化されていた。

米軍とNATO軍の部隊が撤収した後のバグラム空軍基地

米軍が基地を離れたのは今月2日だったが、アフガン軍兵士たちが撤退を知ったのは当日になってからだったとの情報もある。

現在は約3000人規模のアフガン兵が基地の管理を担い、タリバーン掃討戦にどう活用するかの方途を検討しているという。

バイデン米大統領は今年4月、アフガン駐留米軍を9月11日までに完全に引き揚げさせることを宣言。撤退作業は予想外に迅速に進み、事実上終了したとの見方もある。

一方でタリバーンは今年5月以降、軍事攻勢を強め、南部や北部で支配地を拡張し続けている。アフガン全土で約150地区を掌握したとも主張している。米軍の撤収と共に内戦の発生は必至との指摘も出ている。

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