中国、大規模なミサイル格納庫網を建設中か 衛星画像で判明

衛星画像上に黒い丸型の記号で示された中国のミサイル格納庫網/Courtesy Planet Labs Inc./Center for Nonproliferation Studies

2021.07.03 Sat posted at 11:10 JST

香港(CNN) 中国が西部の砂漠地帯で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の地下格納庫とみられる施設の大規模ネットワークを建設していることが分かった。専門家は、アジアの米軍計画立案者の状況に変化をもたらす可能性があると指摘している。

ミサイル施設は120基の格納庫で構成され、米本土に到達可能な兵器が収められている可能性もある。調査はジェームズ・マーティン不拡散研究センターの研究者が、商業衛星企業プラネット・ラボから提供された衛星画像を使って実施した。

中国の核兵器に詳しいジェフリー・ルイス氏によると、過去4カ月の間に撮影された衛星写真と直近1週間の画像を比較したところ、甘肃省の数百平方キロの範囲に広がるミサイル施設が見つかった。ルイス氏は格納庫を最初に発見したデッカー・エベレス氏と共同で画像を調査した。

両氏の調査結果については、米紙ワシントン・ポストが最初に報じた。

格納庫の建設はまだ完了してない。ルイス氏は2日、CNNに対し、工事の大半は過去6カ月の間に行われた可能性が高いと指摘し、「驚くべき建設ペースだ」と話している。

建設中のミサイル格納庫の拡大画像

新たなミサイル施設の建設が報じられたのは、中国の習近平(シーチンピン)国家主席が共産党創立100年の記念式典で演説する前日だった。習氏は演説で、中国の台頭は「歴史的に不可避」だと述べ、中国はもう外国による「いじめ、圧迫、隷属」は受けないと主張した。

研究者は格納庫とみられる施設120基を特定したものの、現在もしくは将来の使用を示す情報はない。ただ、専門家は3キロ間隔で格子状に配置されたサイロについて、中国のICBM「東風(DF)41」の格納に使われる可能性があるとの見方を示す。

戦略国際問題研究所(CSIS)のミサイル脅威プロジェクトによると、DF41は推定1万2000~1万5000キロの射程を持ち、それぞれ独立した目標を設定した核弾頭を最大10発搭載できる。

同プロジェクトのウェブサイトは「(DF41は)30分以内に米国に到達できるようになると予想されている」と指摘する。

中国は2019年、移動式発射装置に搭載したDF41を公開したものの、実戦配備はまだ確認されていない。

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