生理用品も安全な場所もなく、社会から排除も 世界の女性が今も直面する現実

布製で再利用可能な生理用ナプキンを縫製する女性(=ネパール、カトマンズ)/Skanda Gautam/Zuma

2021.07.02 Fri posted at 17:40 JST

(CNN) 途上国では今もなお生理用品を入手できない女性が多数く、月経中は社会から締め出されるなどして人生の機会を逸している――。ユニセフと世界保健機関(WHO)が1日に発表した報告書で、世界の多くの国で今も月経がタブー視されている現実が浮き彫りになった。

それによると、生理中に適切な生理用品を使用できず、感染症など健康問題のリスクにさらされている女性の割合は、エチオピアとサモア、ラオスで約5人中1人、ニジェールとブルキナファソでは約7人中1人に上った。

ニジェールの女性は半数が、月経中に着替えたり洗ったりできるプライベートな場所がないと回答した。

残るナイジェリア、ブルキナファソ、ラオス、コートジボワール、エチオピアの5カ国でも、地方に住む女性のうち少なくとも5人に1人が、プライベートな場所がないと答えている。

エチオピアでは、洗ったり着替えたりするためのプライベートな場所があるという回答が3分の2を占めたものの、その場所が清潔で安全だという回答は38~40%にとどまった。

何百万人もの女性にとって、月経に対応できるプライベートな場所は自宅しかなく、それが人生の機会の逸失につながっている。

タンザニアでは女子生徒の6人に1人が月経中は学校に行けなくなるとしている

バングラデシュの女性の半数以上、ネパールでは3分の2以上が、月経中は日常の活動に参加しないと回答。チャドと中央アフリカ共和国では、3人に1人が機会を逸していると答えた。

現地の風習に阻まれて女性が社会活動に参加できない場合もある。ネパールでは貧困地域の女性の半数が、月経中は別の場所で食事をしていると回答。7人中1人は、月経期間中は泥小屋や牛小屋に滞在することを強いられると答えた。

ネパールでは2005年に月経中の女性を集落から離れた小屋に滞在させる行為が禁止された。しかし同報告書によれば、地方や貧困地域では今もこの風習が残っているという。

月経中の女性を排除する風習があるのは貧困地域だけにとどまらない。ネパールの富裕地区に住む女性も30%が別の場所で食事をすると答え、調査対象のほぼ全員が、月経中は宗教活動から離れていると答えた。

安全な場所がないなどの理由で月経中の女性が外出できない国もある。過去1年の間に月経を理由に学校を休んだことがあるという女性はブルキナファソで15%、コートジボワールで20%、ナイジェリアで23%に上っている。

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