チベット初の高速鉄道が開業、「世界の屋根」での難工事の末

ラサと林芝(ニンティ)を結ぶ新しい橋を走る新路線/Jiao Hongtao/VCG/Getty Images

2021.07.01 Thu posted at 11:45 JST

(CNN) 中国・ チベット自治区の区都ラサと林芝(ニンティ)を結ぶ、同自治区初の高速鉄道が6月25日に開業し、旅行者らは高山地帯の風景を車窓から楽しめることになった。

これで、中国本土における省級行政区(一級行政区)31全てで高速鉄道が運用されることになる。

「世界の屋根」と称されるチベットでの高速鉄道の線路建設は、6年がかりの難工事となった。

長さ435キロの新路線の約90%は海抜3000メートル以上に位置し、路線全体の75%を47本のトンネルと121基の橋が占めている。

ラサと林芝(ニンティ)を結ぶ新しい橋を走る新路線

建設に366億元(約6300億円)が投じられた路線では、電力を動力とする「復興」号が走行。

ただ、同国の高速鉄道の多くは時速350キロの最高速度を誇るが、この路線では時速約160キロで走行するという。

ラサと林芝を結ぶ新路線は、四川とチベットを結ぶ全長1740キロの川蔵線の区間の一部で、最終的にはラサと四川省の省都である成都を13時間で結ぶことになる。


チベットに鉄道が開通したことで、中国本土の31省全てに高速鉄道が運用されることになる/Purbu Zhaxi/Xinhua/Getty Images

中国では、同国全土に散在する大都市を縦横無尽に結ぶ鉄道路線網が4万キロ近くに達し、2035年には7万キロにまで延びる見込み。

同国政府は、1960年代の日本における新幹線と同じように、高速鉄道を経済の力と繁栄を象徴するものと捉えている。

チベット初の高速鉄道が開業

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。