米北西部を襲う熱波、異常気象は未踏の領域に

米北西部が熱波に見舞われている/https://us.cnn.com/2021/06/28/weather/heat-waves-climate-change/index.html

2021.06.29 Tue posted at 17:40 JST

(CNN) 太平洋に面した米北西部が、まだ7月にもならないうちから異常な熱波に見舞われている。

オレゴン州ポートランドに住むブリー・オズウェルさん(44)は、気温がカ氏100度(セ氏約38度)を突破する中で、毛布やタオルをかき集めて窓に張り付け、日光をさえぎった。

ポートランドで育ったオズウェルさんは、例年のように発生する山火事や熱波などの異常気象に対し、「まるでロックダウン(都市封鎖)みたいだけれど、マスクの着用やワクチン接種では解決できない」「いつまでも続くみたいで恐ろしい」と不安そうな様子だった。

例年であれば1年で最も暑くなるのは7月だが、ポートランドの気温は既に3日連続で史上最高を記録した。ワシントン州シアトルでも27日に史上最高を観測。カナダのブリテュッシュコロンビア州リットンの27日と28日の気温も平年を大幅に上回り、史上最高を更新した。

空調が整備されたシェルターに避難してきた人々=28日、米ポートランド

ペンシルベニア州立大学のマイケル・マン氏は、気候変動の影響で熱波は強まり、頻度が増していると述べ、「地球が温暖化すれば、極端な熱波が増える」と解説。異常気象は未踏の領域に入りつつあると予想する。

米東部のニューヨークやボストン、フィラデルフィアでも、4000万人以上に対して熱波への警戒が呼びかけられている。オレゴン州やワシントン州ほど極端な暑さにはならないまでも、北東部でも記録的な暑さを観測する可能性がある。7月1日には気温は下がる見通しだ。

熱波が続く中、熱中症による死者が増える恐れもある。ポートランドがあるマルトノマ郡では25~27日にかけ、熱波に関連して患者が医療機関で救急治療を受けた件数は少なくとも43件に上った。例年のこの時期であれば、熱波による受診は1~2人にとどまるという。

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