金正恩氏のやせた姿に平壌市民「心痛む」、異例の街頭インタビュー放映

金正恩(キムジョンウン)総書記(右)/KOREAN CENTRAL TV

2021.06.29 Tue posted at 13:20 JST

ソウル(CNN) 北朝鮮の国営テレビがこのほど放送した異例の街頭インタビューの中で、平壌の住民が金正恩(キムジョンウン)総書記のやせた姿に言及して「心が痛む」とコメントした。

国営メディアに登場する金総書記は、ここ数週間で明らかにやせた様子だった。北朝鮮は、公式には金総書記の体重や健康状態の変化を認めていない。しかし街頭インタビューを放送することで、急激な体形の変化を確認した形だ。

25日に朝鮮中央テレビが放送した街頭インタビューでは、平壌在住の男性が「人民は、私自身も含め、敬愛する総書記のやつれた姿を見てひどく心を痛めている。誰もが涙を流したと言っている」とコメントした。

北朝鮮では金総書記の健康状態に関する情報は極秘扱いとされ、専門家によると、国民が健康状態に関するうわさを口にしただけでも治安当局に目を付けられかねない。

金正恩(キムジョンウン)総書記(右)

メディアの報道は政府の検閲によって承認された内容しか伝えられず、今回のインタビューが当局の許可なく放映されたとは考えにくい。ただ、放映されたのが1回のみだったことから、単純に見落とされていた可能性もある。

今回の街頭インタビュー放映について、北朝鮮に詳しい韓国・世宗研究所の専門家は、北朝鮮が金総書記の体形の変化を公式に認めて「たいしたことではない」と思わせる狙いがあるのかもしれないと推測する。

ただ、「金正恩氏が北朝鮮の国民の生活を向上させるために自ら働きすぎてやせたという考え方を、国民に売り込もうとしている可能性もある」という。

北朝鮮の食糧事情は厳しい状況にある。金総書記は今月開かれた朝鮮労働党の会合で、食糧供給が厳しくなりつつあることを認めていた。

金正恩氏のやせた姿に平壌市民「心痛む」

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