フロリダの集合住宅崩壊、死者9人に 3年前調査で「大きな損傷」の警告

生存者を捜索する救助隊=26日/Joe Raedle/Getty Images

2021.06.28 Mon posted at 11:25 JST

(CNN) 米フロリダ州南部サーフサイドで起きた集合住宅の一部崩壊で、27日までに確認された死者は計9人となった。この建物は2018年の調査で、大きな構造的損傷の警告を受けていたことが分かった。

地元マイアミデード郡のトップ、ダニエラ・レビン・カバ氏によると、崩壊現場では26日までに住民ら134人の所在が確認されたものの、依然として152人が安否不明となっている。

27日には前日までに確認された死者5人に加え、新たに4人の遺体の身元が判明した。

郡消防責任者によると、現場の捜索、救助活動には400人以上が出動している。チームは徹夜で長さ約38メートル、深さ約12メートルの溝を掘り、がれきに埋もれていた4遺体を収容したという。

同責任者は内部の様子について、生存者が安全を確保できるような空間が見当たらず、非常に厳しい状況だと語った。

当局によると、現場には27日、安否不明者らの家族を乗せたバスが入った。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、この集合住宅の構造について18年に実施された現地調査の報告書が、地元当局の公式サイト上で公開されていた。

現場に入る重機

報告書は、プールサイドや入り口の車道などで防水施工に問題があり、「大きな構造的損傷」を引き起こしつつあると指摘。その下のコンクリート板が損傷しており、近いうちに防水工事をやり直さなければコンクリートの劣化が急激に拡大すると警告していた。

防水層の下のコンクリート面に傾斜がなく、水が流れずに蒸発するまでとどまる構造になっているのは「大きなミス」だと説明したうえで、防水工事のやり直しには非常に高額の費用がかかるとの見方を示した。

さらに立体駐車場の建物についても、コンクリートの劣化によるひび割れなどが目立つとしていた。ただし、建物が崩壊する危険性には言及していなかった。

報告書をまとめたコンサルティング会社は昨年6月、この集合住宅から建築後40年の修繕工事に向けた計画作成を依頼された。崩壊時には屋根の修繕が進んでいたが、コンクリート部分の補修は始まっていなかったという。

サーフサイドのバーケット市長はCNNとのインタビューで、報告書が指摘したひび割れなどについてどのような対応策がとられていたかは不明だと述べた。

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