ニューヨーク(CNN Business) 米マイクロソフトは24日、PC向けOSの最新版「ウィンドウズ11」を発表した。ウィンドウズ10の登場以来、同OSが刷新されるのは6年ぶり。画面のデザイン刷新や、在宅勤務者のためのコラボレーションツール「チームズ」統合などが盛り込まれている。ただ、発表会のライブ中継が途中で途切れて見にくくなる場面もあった。
マイクロソフトのパノス・パネイ最高製品責任者は発表会で、「全ピクセルに至るまで細部にこだわった」と胸を張った。
ウィンドウズ11に関する主な発表内容は以下の通り。
画面の変更
「スナップレイアウト」で開いているアプリを一度に移動できる/Microsoft
ウィンドウズ11で特に大きく変わるのは、タスクバーの中央にスタートメニューと新しいスタートボタンが加わることかもしれない。このメニューを使うとウィンドウが開き、アプリや最近使ったドキュメント、検索バ一が表示される。
新しい「スナップレイアウト」では、ユーザーが「最大化」ボタンからさまざまなウィンドウの配置を選択でき、複数のテンプレートから選んで画面上に2~4種類のアプリケーションを表示することが可能。これまでのように、画面上で複数のウィンドウをドラッグして手動でサイズを変更する必要はなくなる。
「スナップグループ」では自分が使っているアプリとレイアウトを保存して、一時的に作業を中断した場合でも、簡単にその状態に戻ることができる。モニターを取り外さなければならない場合も、再び接続すると、それまで使っていたスナップレイアウトを再現できる。
作業の切り替えも容易になり、自宅、学校、職場、ゲーム用に自分が設定したデスクトップの壁紙が保存される。
アプリやアイコンは角が丸くなるなど、画面表示はソフトな印象になった。
チームズの統合
チームズはウィンドウズ11に直接統合され、タスクバーにアイコンが表示される。
「世界中の誰とでも、チャットや電話、ビデオ電話ができる」とパネイ氏は述べ、ウィンドウズのほか、アップルの「iOS」やグーグルの「アンドロイド」など、どんなOSを搭載した端末でも利用できると説明した。
キーボードなしのウィンドウズ
タブレット端末などを使う場合、キーボードを取り外した状態でも、ウィンドウズ11の見た目はほとんど変わらない。
ユーザーは引き続き、スナップ機能を使って開いているアプリ間での切り替えができる。画面を回転させるとそうしたアプリが見やすいよう、縦に積み重なって表示される。
音声入力などの新機能も加わった。自動的に句読点を打ったり、「その単語を削除」といった指示を出すこともできる。
ゲーム
ゲーム用に搭載された「オートHDR」機能では、ゲーム画面の色や光が自動的に改善される。これはマイクロソフトのゲーム機「Xボックス」で最初に導入された技術。
マイクロソフトストア
「マイクロソフトストア」はスピードを念頭に、「土台から」再構築したとパネイ氏は説明する。消費者向けアプリは選択肢が増え、アマゾンのアプリストアで提供されているアンドロイドアプリもここから入手できる。つまり、アンドロイドアプリがPCで使えるようになる。
マイクロソフトは発表会の中で、アップルに対する対抗心ものぞかせた。新しいマイクロソフトストアでは、開発者が自分のアプリ用の決済システムを自分で作成することができ、マイクロソフトは手数料を受け取らない。アップルは、iOSアプリのアプリ内販売に対する手数料を徴収して非難の的になっている。