五輪の「スーパーファン」、地元東京での開催に意気盛ん

三三七拍子を披露する五輪の「スーパーファン」、石川恭子さん/Emi Jozuka/CNN

2021.06.24 Thu posted at 10:21 JST

長野/東京(CNN) 東京五輪の開会式を約1カ月後に控え、日本国内では新型コロナウイルスの感染リスクを不安視する声も上がるなか、五輪の「スーパーファン」を自認する石川恭子さんは応援の準備に余念がない。

IT企業社長の石川さんは、はちまきに扇子といういでたちで笛を吹き、選手たちに声援を送る。1992年のバルセロナ大会以来、「国際オリンピック応援団」としてすべての夏季五輪に出向いてきた。応援の目的は「愛と友情、平和のメッセージを共有すること」と語り、五輪はそれを世界中の人たちと共有できる機会だと強調する。

ただ東京五輪に対しては、国民2000人を対象とした最近の世論調査で86%が開催に反対と答えるなど、感染拡大への強い懸念が指摘されている。

今年3月には海外からの観客を受け入れないことが決まり、先日は国内の観客を「定員の50%以内、上限1万人」とすることで主催者側が合意した。一部の競技ではチケットの再抽選が行われる。ただし菅義偉首相は、今後また緊急事態宣言が発令された場合、無観客とすることもあり得るとの立場を示している。

2008年の北京五輪を観戦する山田直稔さん(写真左)と石川恭子さん(写真右)

石川さんは学生時代にバルセロナで初めて五輪を観戦した。この時に出会ったのが、64年の前回東京五輪からすべての夏季五輪に足を運んでいた「オリンピックおじさん」こと山田直稔さんだ。

山田さんと石川さんはそれ以来、五輪会場で毎回合流してきた。2回目の東京大会を一緒に祝う予定だったが、山田さんは2019年に亡くなり、石川さんはその遺志を継ごうと決意した。

1998年以降、五輪の記念グッズを10万点以上収集してきたシュロミ・ツァフリールさんも、東京大会を楽しみにする1人だ。テニスと水泳のチケットを持っているが、もし再抽選で外れたとしても、テレビでより良いアングルから観戦できると話す。


2000年のシドニー五輪会場でピンバッジを交換していたシュロミ・ツァフリールさん(写真左端)/Shlomi Tsafrir

日本政府や専門家も、感染拡大を防ぐためにできるだけ自宅から観戦するよう呼び掛けている。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会を率いる尾身茂会長は、先週の記者会見で「応援は他の方法でもできる」と訴えた。

石川さんもまた、「直接対面できなくても今は世界中の人々とつながる技術がある。それをどう活用できるかを思案中だ」と話している。

五輪のファン、開催に意気盛ん

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