米戦闘機、英空母クイーン・エリザベスから実戦参加 中東での作戦支援

2018年の演習時に英空母クイーン・エリザベスの上空を飛行する米軍のF35B/Dane Wiedmann/Navy Office of Information/U.S. Navy

2021.06.23 Wed posted at 16:45 JST

(CNN) 米海兵隊のジェット戦闘機が今週、英空母「クイーン・エリザベス」の艦載機として中東での実戦任務に参加した。米国の軍用機が外国の軍艦から実戦に向けて飛び立つのは第2次世界大戦以降で初めて。英国防省が22日に明らかにした。

今回の任務は過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に対する掃討作戦で、クイーン・エリザベスにとって初の実戦ともなる。同空母は英海軍史上最大の軍艦。英国の空母が実戦を行うのも過去10年で初めてとなる。

空母航空団の司令官を務めるジェームズ・ブラックモア大佐は、米国の軍用機が最後に外国の空母から実戦任務へ飛び立ったのは1943年にさかのぼると説明。その時の空母は南太平洋に展開していた英海軍の「ビクトリアス」だったという。

クイーン・エリザベスから掃討作戦に向かったのは米軍のステルス戦闘機「F35B」で、英軍の同型機とともに作戦を支援した。

今回クイーン・エリザベスの艦載機となった米英のF35Bは計18機。同機が1隻の空母に搭載された数としては過去最多となった。

地中海を航行するクイーン・エリザベス=2021年6月20日

ブラックモア大佐は「英海軍、英空軍、米海兵隊の間での統合レベルは文字通り切れ目がなく、我々がどれだけ緊密な関係となったかの証左だ」と述べた。

またウォレス英国防相は声明で、最新鋭の戦闘機が海上から運用可能となった歴史的意義を強調。同盟国に安心感を与えるとともに、英国の強大な空軍力を敵対国へ誇示できるとの見方を示した。

クイーン・エリザベスを中核とする空母打撃群は、地中海からインド洋、太平洋へと7カ月にわたる航海で4万8280キロを移動し、40カ国を訪れる予定。南シナ海を通過して日本、韓国にも向かうとみられる。

英国防省によると、米国とオランダの艦船も含む同空母打撃群は、英国外へ向かう空軍・海軍の編成としては1世代中で最大の規模だという。

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