(CNN) インドネシア西ジャワ州のチアンジュル県で新型コロナウイルスのワクチン接種を受けた場合、「生きた鶏」を無料で贈呈する奨励策がこのほど始まった。
ワクチン投与をためらう45歳以上の住民への接種普及が狙い。先月から始まったこの施策は警察、地元の行政当局や保健所が進めている。
警察幹部によると、現在は1日あたり250人が喜んで接種に応じる成果を上げているという。同県ペチャット地区で投与を以前に受けていた該当年齢以上の住民は200人のうち25人のみだったという。
年配層の接種への強い警戒心は、ソーシャルメディア上で流れた誤った情報やいたずらの書き込みなどを受け、感染防止につながらず重病や死亡をもたらすとの疑念が広まったためとしている。
警察幹部によると、これまで贈った鶏は500羽。同時に戸別訪問もし、接種を促しているという。医療班や陸軍要員がワクチン普及を手伝い、現場で診断し、投与を進めているともした。
インドネシアでの新型コロナの感染拡大はアジアで最悪規模の一つとなっている。米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、累計の感染者数は約200万人で、死者は5万3000人以上。
ロイター通信によると、最近では人口が過密なジャワ、スマトラ両島での感染増大が目立つ。イスラム教の断食月(ラマダン)終了後の祝日に激増していた。
インドネシア国内でのワクチン接種も歩みが遅く、同国保健省のデータによると、最初の1回目の投与の対象となっていた50歳以上では20%に届いていないという。
ワクチン接種と引き換えに「生きた鶏」、インドネシアの奨励策