米CDC、デルタ株を「懸念される変異株」に分類

米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は国民にワクチン接種を呼びかけている/Joe Raedle/Getty Images

2021.06.16 Wed posted at 11:19 JST

(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は、インドで最初に確認された「デルタ」と呼ばれる新型コロナウイルスの変異株を「懸念される変異株」に分類した。

感染力が強い、あるいは重症化率が高いと専門家が判断した変異株は、懸念される変異株に分類される。ワクチンや治療法、検査などの有効性も薄れる可能性がある。CDCはこれまで、デルタ株を「注目すべき変異株」に分類していた。

CDCによると、デルタ株については、感染力が高まったり、緊急承認されたモノクローナル抗体治療の効果が薄れたり、ワクチン接種後の血清による中和効果が減退したりする可能性があることが、実験結果で示されている。

世界保健機関(WHO)は5月10日にデルタ株を懸念される変異株に分類していた。

マスク着用の義務付けが緩和され、マスクをしている人やしていない人が見られるようになった=米ニューヨーク市の42番街

米国では過去数カ月にわたって新型コロナウイルスの症例数が減少しているが、ワクチン接種のペースが鈍化し、デルタ株の感染が拡大する中で、そうした状況が変わる恐れもある。CDCの推計によると、6月5日の時点で米国で確認された症例のうち9.9%がデルタ株だった。

米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は先週、ホワイトハウスで行った説明の中で、デルタ株が主流になった英国と同じようなペースで、米国でもこの変異株が広がりつつあると指摘、「米国であのようなことがあってはならない」と述べて国民にワクチン接種を呼びかけた。

英国で最近になって症例数が増えたのは、デルタ株の影響と思われる。14日に発表されたスコットランドの症例研究では、英国で最初に確認された「アルファ株」に比べ、デルタ株では入院リスクが約2倍になることとの関係が指摘されていた。

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