ワシントン(CNN) 米情報当局は、海軍パイロットによる遭遇事例が近年報告されていた未確認飛行物体(UFO)について、宇宙人の宇宙船と確認できる証拠が現時点では見つからなかったとした。ただこれらの謎の物体の正体に関して、まだ決定的な判断を下す段階には至っていないという。
近く発表されるUFOの報告書の内容に詳しい情報筋5人が明らかにした。報告書は今月、連邦議会に提出されるとみられている。
これらの情報筋のうち3人によれば、報告書は当該のUFOが宇宙人の宇宙船である可能性を排除していないという。
報告書のこうした曖昧(あいまい)さは、地球外生命体に関する決定的な証拠を望んでやまないUFOファンの期待をそぐものかもしれない。
それでも報告書が持つ意義は決して小さくはない。これまでの事情を考慮すればなおさらだ。情報筋が説明するように、長年にわたって国防総省内部では、目撃報告自体を認めるかどうかでさえ論争が起きていた。米軍要員によるそうした説明のつかない目撃例は、今や数百件に達している。
今回の報告の詳細は、米紙ニューヨーク・タイムズが最初に報じた。
米当局者はまた、UFOが米国の敵対勢力に属する航空機である可能性も排除できないとしている。具体的にはロシアと中国を名指しし、その場合の方がより厄介な結論を導きかねないと指摘。安全保障上の懸念を多く引き起こすとの見方を示す。情報筋の1人が明らかにした。
一方で報告書の結論とみられる内容によれば、これらのUFOは米国の非公開の技術には該当していない。前出の情報筋が付け加えた。
米政府がUFOとの一連の遭遇事例を詳述した非機密扱いの報告書の発表に踏み切るのは今回が初めて。