(CNN) 英イングランド地方最大の湖の底に落ちてしまった婚約指輪は、干し草の山の中に紛れ込んだ針のように、見つけるのをあきらめなければならないのか…。
フリーダイバーのアンガス・ホスキングさん(21)は先月24日、イングランド北西部の湖水地方にあるウィンダミア湖で、レベッカ・チャウクリアさんとビキ・パテルさんのカップルが、婚約してからわずか2日後に桟橋の端からダイヤモンドの指輪を落としてしまったとの連絡を受けた。
カップルが写真を撮影している際、チャウクリアさんの指から指輪が滑り落ちてしまったという。
29日にCNNの電話取材を受けたホスキングさんは、2人が最初、カメラの三脚を使って指輪を取ろうとしていたが、湖底の泥の中へと余計に押し込んでしまったと説明。同じく取材に応じたペテルさんは、指輪が落ちてしまった際、自分で拾い上げようとしたものの、湖水は「凍てつくように冷たく」、湖の中は何も見えない状況だったと述べた。
友達づてにカップルの窮状を聞いたホスキングさんは、仕事を終えるとすぐに桟橋へと駆け付けた。ホスキングさんは3年半にわたってこの湖のごみの清掃活動を手伝うとともに、この問題に取り組むため、友人と一緒にダイバーの団体を設立していた。
貴重な物を探し出すよう頼まれたのは今回が初めてではないと話すホスキングさんは、CNNに対し、見つけるまでどのくらいの時間がかかりそうかも熟知していると述べた。
ただこの時については、「水の中をのぞいてみたら、すぐに視界がひどく悪いことが分かり、自信がなくなった。何も見えないんだから」と説明。
「本当に細かな粒の泥ばっかり。1ペニー硬貨を落としてしまっても底までまっすぐに落ちていくよ」と語った。
幸運なことに、金属探知機を用いて探すこと約20分で、ホスキングさんは指輪を拾い上げた。
ホスキングさんを「素晴らしい男」と評するパテルさんは、彼が指輪を手に現れた時、婚約者は「言葉を失って」いたとし、「彼女は今となっては指輪を決して外さずにいる」と話した。
一方のホスキングさんも、パテルさんは「ありがとうという言葉が止まらず、すばらしいと言い続けていた」と語った。
パテルさんは、新型コロナウイルスに関連した制限に触れなければ、8月に予定している結婚式にホスキングさんを招待したいと話している。