虹色にきらめく火星の雲、探査車「キュリオシティ」が撮影

火星探査車「キュリオシティ」が撮影した虹色の雲/NASA/JPL-Caltech/MSSS

2021.06.02 Wed posted at 09:40 JST

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)の火星探査車「キュリオシティ」が、火星上空で虹色に輝く雲を撮影した。

火星は凍った砂漠とも言える場所で、圧倒的に多い赤を除くと色彩に乏しい。だが、キュリオシティの上空では、雲がほとんど色彩できらめいているように見える。

地球とは異なり、火星は雲で覆われる日は多くない。火星には薄く乾燥した大気があるため、雲は2年ごとに火星が寒くなり、楕円(だえん)軌道上で太陽から最も遠ざかる時期に現れる傾向がある。

しかし地球でいう2年前(火星でいう1年前)、それまでの認識を一変させる出来事が起きた。キュリオシティが予想より早く、大気中のより高い位置に現れた雲を発見したのだ。

科学者によれば、雲が虹色に見えるのは雲の粒子の大きさがほぼ同じであるためだという

再び同じ現象が起きた場合に備え、地球上のチームはキュリオシティに対し、1月下旬の早い時期に雲を探すように指示を送った。

するとキュリオシティのカメラは、氷の結晶で満ちた薄い雲を撮影。これらの氷の結晶は太陽光を散乱させることから、輝いて見える。一連の画像は単に魅力的な光景というだけなく、科学者が火星での雲の形成について理解を深める助けにもなっている。

キュリオシティのマストに搭載されたカメラが日没後にとらえたカラー画像には、光り輝く雲が写っている。

こうした雲は氷の結晶で充満しており、夕暮れの太陽光を反射するため、日没に伴い虹色がかった輝きを帯びる。そして太陽光が消えるにつれ、雲は暗くなっていく。

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