ローマ時代の墓地、頭部切断された人骨が大量に出土 英

英東部にある古代ローマ時代の墓地で、頭部を切断された人骨が17体見つかった/Dave Webb/Cambridge Archaeological Unit

2021.06.01 Tue posted at 12:00 JST

(CNN) 英イングランド東部ケンブリッジシャー州にある古代ローマ時代の墓地3カ所で、頭部を切断された人骨が17体見つかった。これは極めて多い数であり、専門家は死刑執行の結果とみている。

現場は同州サマーシャムにある「ノブズファーム」。ケンブリッジ大の考古学チームが発掘作業を行ったところ、埋葬された遺体が52体見つかり、うち13体はうつぶせの状態だった。

ケンブリッジ大学出版局によって専門誌に先月発表された論文によると、切断された頭部の多くは遺体の足元に置かれていた。死亡時にひざまずいていた遺体もあるという。

ローマ帝国は紀元後410年まで、約400年間にわたって英国の一部を支配していた。一部の町には今でも、部分的にローマ時代の要塞(ようさい)から作られた中世の壁が残る。

遺体の多くは保存状態が悪かったが、敵から身を守ろうとして傷を負った兆候はなく、頭部が切断されていることを除けば、死の直前に負った外傷もほとんど見当たらないという。

切断された頭部の多くは遺体の足元に置かれていた

論文によると、英国各地にある他のローマ時代の墓地に比べ、今回は頭部が切断されたり、うつぶせの状態にされている遺骨が「極めて」多い。頭部が切断されている遺体は33%に上り、英国の他の墓地での2.5~6.1%を大幅に上回る。

一部の遺体がうつぶせにされている理由は不明だが、13体がこの状態で埋葬されていることを考えると、手違いの可能性はあり得ないという。死者が犯罪者だったか、もしくは家族が死者を恥ずかしく思っていた可能性などが考えられる。

これほどの多くの頭部が切断されている理由も不明だ。ただ、考古学コンサルタントの女性は、犯罪で処刑された可能性が最も高く、儀式的な慣行だった可能性もあると指摘する。

論文に引用された別の研究によると、ローマによる英占領期の後半には社会情勢の不安定化が目立つようになり、死刑が適用される犯罪の数が14から60に増えていた。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。