アジアに米空母不在の事態か、アフガン撤退支援で1隻派遣へ

米海軍横須賀基地を拠点にする空母「ロナルド・レーガン」/MC2 Kaila V. Peters/US Navy

2021.05.29 Sat posted at 16:52 JST

(CNN) 日本の米海軍横須賀基地を拠点にする空母「ロナルド・レーガン」が近く中東へ出動し、アジアに展開する米空母が皆無となり米国の地域的な海上戦力が低下する可能性が出て来た。

2人の米政府当局者が明らかにした。中東への派遣はアフガニスタン駐留米軍の撤退支援が目的で、オースティン米国防長官が早ければ今週、命令を出す見通し。

米空母の長期不在は、南シナ海や台湾問題などで軍事的な脅威を高める中国を利するとの指摘も出ている。

米政府当局者によると、ロナルド・レーガンに随伴する巡洋艦や駆逐艦の隻数は未定。同空母はアラビア海北部で同様の任務を遂行中の空母「ドワイト・D・アイゼンハワー」と交代する。

米海軍協会によると、アイゼンハワーの中東配備はここ1年で2回目で、修理のため今年7月に作戦海域を離れる必要がある。アフガン駐留米軍の撤収期限は今年9月11日で、ペルシャ湾への空母配置は少なくともこの期限まで維持される可能性がある。

昨年夏にはニミッツとロナルド・レーガンの両空母が南シナ海で合同軍事演習

ロナルド・レーガンは米海軍の唯一の前方展開型の空母でインド太平洋では最大の戦力と目される。昨年夏には同地域に同じく配備された空母「ニミッツ」と南シナ海で合同軍事演習も実施した。ニミッツは今年3月、約1年の海上任務を終えワシントン州に戻った。

別の空母「セオドア・ルーズベルト」も今年、南シナ海に投入されたが今週、米サンディエゴに帰港した。

米海軍太平洋艦隊の元幹部はアジアでの空母不在を埋められる戦力の選択肢はあると主張。日本を拠点にし、戦闘機F35を搭載出来る強襲揚陸艦の暫定配備の他、空軍による南シナ海への爆撃機派遣は空母配置と同等の政治的なメッセージの重みがあるとも述べた。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。